吉祥寺JazzSyndicate

 吉祥寺ジャズシンジケートは、東京、吉祥寺の某Barに集まるJazzファンのゆるーいコミュニティです。  コンテンポラリーJazzを中心に、音楽、アート、アニメ、カフェ、バー、面白グッズ、などなど、わがままに、気まぐれに、無責任に発信します。

【Disc Review】“Third Round” (2010) Manu Katche

“Third Round” (2010) Manu Katche
Manu Katché (drums)
Pino Palladino (bass) Jason Rebello (piano) Tore Brunborg (saxohones) Jacob Young (guitars) Kami Lyle (voice, trumpet)

Third Round
Universal Music LLC
2010-03-24
マヌ カッチェ

 ドラマーManu Katche。ECMでの3枚目。
 本作は、少々明るめ、ポップにも聞こえるManu Katche。
 もともとロック、ポップス畑が主戦場の人なのでしょう。
 8ビート中心のリズム、控えめなアドリブ、それら含めて今までのジャズっぽくない感じは前作と同様。
 乾いた音のスネアと、宙を舞う静かなシンバルが心地よく響く音空間。
 いかにもECMっぽい綺麗なピアノが出てきたり、サックスが前面に出るとジャズっぽくもなったりするのですが、気が付くとポップス~スムースジャズの香りが濃い、しかし、あくまでさりげなく、決してうるさくはならない独特の色彩に。
 ボーカルナンバーもシンプルなビートに乗った、不思議系の女性ボイスが映えるフォーキーな佳曲・・・ 
 と書いてしまうとジャズファンからは遠い感じもしてしまうのですが、アンサンブル、演奏ともに一級品、安っぽさは微塵もなし。
 しかも何故か全体のムードはジャズ。
 但し、1960年代のジャズの熱さや1970年代以降のヨーロピアンジャズの深刻さ、小難しさもなし。
 ただただ自然ながらキャッチーなメロディと、肩に力が入らない自然な演奏。
 こんな感じのテイストが今風の、あるいはこれからのジャズの主流のひとつになるのかな?
 明るく爽やか、でも全体を通じた少々の翳りが深さを感じさせる音。 





posted by H.A.

【Disc Review】“Playground” (2007) Manu Katché

“Playground” (2007) Manu Katché
Manu Katche (drum)
Mathias Eick (trumpet) Trygve Seim (tenor, soprano sax) Marcin Wasilewski (piano) Slawomir Kurkiewicz (bass) David Torn (guitar)

Playground (Ocrd)
Manu Katche
Ecm Records
2007-09-25
マヌ カッチェ

 若手ドラマー、Manu Katché、ECM第二作。
 前作のベテラン・オールスター・ホーン陣に代わって、同世代のメンバー。
 寂寥感が強めの音。
 あまり深刻にならないムードは前作同様、サラリとした寂寥感。
 決して熱くなることはなく淡々と進む演奏。強烈なビートもなければ、派手なインプロビゼーションも無い。
 淡々と刻まれる8ビート、乾いたスネアと静かに宙を舞うシンバルの音。静かに響くピアノ。力みのないホーンのアンサンブル。
 このクールさ、さり気なさがかえって凄みを感じさせる音。
 4曲目ぐらいから少し音量は上がり、ポップさも加わりますが、それでもクールな質感。
 それにしても寂寥感の漂ういい曲ばかり、奇をてらわない、個々の楽器の音が生きる上質なアレンジ。
 決して広くはないインプロビゼーションスペースでは、コンパクトながらツボを押さえた素晴らしい演奏。
 これまた、これ見よがしで派手な感じではないことが凄みに。
 これ、凄いアルバム、宝物を見つけたのかもしれない。





posted by H.A.

【Disc Review】“Neighbourhood” (2006) Manu Katche

“Neighbourhood” (2006) Manu Katche
Manu Katche (drum)
Jan Garbarek(saxophones) Tomasz Stanko(trumpet) Marcin Wasilewski (piano) Slawomir Kurkiewicz (bass)

ネイバーフッド
マヌ カッチェ






 近年のECMで登場回数が多いドラマー、Manu Katcheのアルバム。
 ロック畑の人なのでしょうか、4beatやフリー的な展開は少なく、8や16beat、変拍子が中心、全体を通じてECM的な暗さや切迫感は希薄。
 どちらかというと明るくてポップな印象のコンテンポラリージャズ。
 メンバーはさしずめECMオールスター。
 曲者のベテラン陣、Jan Garbarekはいつもの切迫感が影を潜め、Tomasz Stankoは緊張感漂うフレーズを連発するものの、Manu Katcheの明るいビートに希釈される、といった展開。
 Marcin Wasilewskiのピアノも心なしか軽やか。
 軽快で明るい今風のグルーブ感の若手リズム陣と、深刻で怪しいベテランフロント陣。
 結構いいバランスです。
 曲も軽快なものが多いけど、演奏のテンションが高いのでこれもいいバランス。
 日本ではあまり話題にならなかったアルバムかもしれないけども、ドイツではヒット?
 私的には隠れた大名盤のように思います。
 この明るさは、冷戦後、少し遅れて新しい時代への切り替わりの兆し、というと大げさかな?




posted by H.A.

【Disc Review】 “Vignettes” (2007) Marilyn Crispell

“Vignettes” (2007) Marilyn Crispell
Marilyn Crispell(Piano)

Vignettes
Marilyn Crispell
ECM
2008-04-22
マリリン クリスペル

 かつては激しい系のフリージャズを中心に演奏していた彼女。
 ところが近年、ECMレーベルに転身してから一転、バラード主体の美しいピアノを聴かせてくれます。
 このアルバムは彼女のピアノソロによるバラード集。
 タイトルVignettes(挿絵)、ジャケットのポートレートさながらに、モノクローム~淡い色合いの絵画的、映像的な音の流れ。
 漂うようなゆったりとしたテンポの中、もの悲しげなメロディが次々と現れては消え、現れては消えていきます。
 崩れそうで崩れない、危ういような、はかないような、しかし美しい音楽。
 ECMレーベル特有のエコーをたっぷり効かせた録音も手伝い、静謐で大きな空間の中にピアノの美しい音が漂います。
 全体の質感はフリージャズ的なのですが、メロディアスな曲が中心。
 数曲抽象的、散文的な曲もありますが、陰鬱さ、うるささはありません。
 Keith Jarrettなどのソロピアノが好きな人はもちろん、Bill Evansやヨーロッパ系ピアノあたりが好きな人にも是非。
 同時期のピアノトリオ版“Amaryllis”(2001)、“Storyteller”(2004)の同質で心地よいバラード演奏が詰まっています。
 気まぐれで入ったCaféで、もしもこんな音楽が流れていたら、一気にその店のファンになってしまうなあ。

 

posted by H.A.

【Disc Review】“'Round About Midnight” (1955) Miles Davis

“'Round About Midnight” (1955) Miles Davis
Miles Davis (trumpet)
John Coltrane (tenor saxophone) Red Garland (piano) Paul Chambers (bass) Philly Joe Jones (drums)

マイルス デイビス

 この冒頭曲が流れると周囲の景色が変わるような気がします。
 さしずめ真冬のマンハッタン、真夜中。
 ハードバップの確立とか、歴史的名盤だとか、コルトレーンがうるさいとか、そんな野暮なことは忘れて1950年代マンハッタン、ハードボイルドな雰囲気に浸りましょう。
 カッコいいなあ。




posted by H.A.
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