吉祥寺JazzSyndicate

 吉祥寺ジャズシンジケートは、東京、吉祥寺の某Barに集まるJazzファンのゆるーいコミュニティです。  コンテンポラリーJazzを中心に、音楽、アート、アニメ、カフェ、バー、面白グッズ、などなど、わがままに、気まぐれに、無責任に発信します。

【Disc Review】“Silk and Salt Melodies” (2014) Louis Sclavis

“Silk and Salt Melodies” (2014) Louis Sclavis

Louis Sclavis (Clarinet)
Benjamin Moussay (Piano, Keyboards) Gilles Coronado (Guitar) Keyvan Chemirani (Percussion)

Silk and Salt Melodies
Sclavis, Louis -Quartet-
Ecm Records
2014-09-30


 フランスのクラリネット奏者Louis Sclavis、ベースレスの変則カルテット。
 前作“Sources” (2012)のトリオに中近東~インド系のパーカッションを加えた編成。
 編成、タイトル通りに中近東エスニックな空気感。
 いつもながらの不穏で摩訶不思議なメロディたちに加えて、中近東~インド系な雰囲気たっぷり。
 冒頭、エレピとバスクラリネットの漂うような絡み合い、いかにもヨーロピアンコンテンポラリージャズな感じから始まり、エスニックなパーカッションとサイケなギターが加わると、中世ヨーロッパなのか、地中海なのか、アフリカなのか、はたまた1960年代末の米英なのか、どこにいるのかわからない空気感。
 ドラムではなく中近東~インド系のパーカッションの静かな響きがとてもクール。
 ピアノが前に出るとクラック混じりのECMな現代ヨーロピアンジャズ、エレピであればエレクトリックMilesあたり、ギターが前に出る時間はサイケな音。
 ヨーロッパ、中近東、インドとさまざまに表情を変えながら、静かに漂うように、そして淡々と流れていく音。
 そんな不思議な空間の中を縦横無尽、変幻自在に動き疾走する、ヨーロピアンな艶やかなクラリネット。
 ダークで不思議感たっぷり、中近東なやるせなさたっぷり。
 激しさよりも抑制されたムードがとてもクール。
 静かな不思議系、中近東なフレンチジャズ、ってな感じでよろしいのでは。


 

posted by H.A.


【Disc Review】“Sources” (2012) Louis Sclavis

“Sources” (2012) Louis Sclavis

Louis Sclavis (Bass Clarinet, Clarinet)
Benjamin Moussay (Piano, Fender Rhodes, Keyboards) Gilles Coronado (Electric Guitar)

Sources
Sclavis, Louis
Ecm Records
2012-06-26


 フランスのクラリネット奏者Louis Sclavis、2012年作。
 本作はギターとキーボードとのトリオ。
 ピアノはいかにもECMな美しい系、ギターはサイケな感じも入り混じる先端ロック系。
 ドラムレスでのトリオならば静かに漂うような演奏・・・確かにそんな楽曲もありますが、ピアノかギターがキッチリとビートを作る速いテンポ、激しい音も多く、攻撃的な印象。
 メロディは例の不穏系、陰鬱系、あるいは複雑系。
 不思議な方向に流れていく旋律、ジプシー系、中近東系、アフリカ系などなどさまざまな表情。
 ときおりエレピとギターが絡む先端系ロックな色合いも交えつつ不思議感たっぷり。
 アンサンブルで固められた楽曲とインプロビゼーション中心の楽曲が交錯しますが、前者は現代音楽的、後者は静かなフリージャズ的。
 複雑怪奇な旋律の強烈なユニゾンに計ったような(計っているのでしょう)オブリガード。
 アンサンブルで固められていると思っているところから抜け出し、代わる代わるに明後日の方向に動き、突っ走り、転げまわるクラリネット、ピアノ、ギター。
 全編を覆うダークな空気感も含めて毒気たっぷり、気難しい系な印象。
 全部含めて無国籍、無時代、アグレッシブなトリオミュージック。
 摩訶不思議。


 

posted by H.A.


【Disc Review】“Lost on the Way” (2009) Louis Sclavis

“Lost on the Way” (2009) Louis Sclavis

Louis Sclavis (Clarinets, Soprano Saxophone)
Maxime Delpierre (Guitar) Olivier Lété (Bass) François Merville (Drums)
Matthieu Metzger (Soprano Saxophone, Alto Saxophone)



 フランスのクラリネット奏者Louis Sclavis、2009年作。
 “L'Imparfait des Langues” (2007)と同じくサックスを加えた二管編成ですが、またまた編成、メンバーを交代。
 ギタートリオに二管の一見普通なジャズ編成。
 それでも・・・と思いきや、意外にも普通にコンテンポラリージャズな、いやプログレッシブロックな色合い。
 不思議系のメロディ、エスニックな空気感、不穏なムードは同様ですが、エレキベースを含めたギタートリオが普通にビートを出している場面が多いから、混沌に突っ込んでいく場面が少ないからでしょうか。
 但し、ロック色の強い重めのビート、リフ中心。
 要所でエレキギターのロックな激しいソロやら、未来な感じの展開もあります。
 それでも諸作と相対的には非日常感が薄いのは、ビートがキッチリしているからなのでしょう。
 サックスは前任者に比べてシャープな感じですが、同じく激しい系ジャズな感じ。
 ジャズ、フリージャズ好きな人はさておき、ロックなジャズ、あるいはジャズ色の強いロックとしてわかりやすい演奏が多いように感じます。
 もちろんテーマのメロディ、リフは強烈に不思議系ですが・・・
 ヨーロピアン・エスニック・プログレッシブロック・コンテンポラリージャズ、ってなところでよろしいのでは。


 

posted by H.A.


【Disc Review】“L'Imparfait des Langues” (2007) Louis Sclavis

“L'Imparfait des Langues” (2007) Louis Sclavis

Louis Sclavis (Clarinet, Bass Clarinet, Soprano Saxophone)
Paul Brousseau (Keyboards, Electronics, Guitar) Maxime Delpierre (Guitar) François Merville (Drums)
Marc Baron (Alto Saxophone)

L'Imparfait Des Langues
ECM Records
2007-01-30


 フランスのクラリネット奏者Louis Sclavis、2007年作。
 サックスを加えた二管、ギター、キーボード、ドラムでのベースレス変則クインテット。
 ギターは先端系ロックな色合い、ベースラインはキーボードでのウネウネグニョグニョな電子的な音。
 例によって不思議系、複雑にアップダウンするメロディ、あるいはプログレッシブロックなリフ、エスニックな香り。
 攻めまくるギター、ときおり聞こえる電子音、囁き声。
 とても妖しく、激しい。
 不穏で陰鬱な空気感が流れていますが、どこかあっけらかんとした感じ、すっとぼけたような感じがするのもあの色合い。
 が、攻撃的ジャズなアルトサックスが登場すると一転、ジャズの香りも濃厚。
 もちろんリーダーのクラリネットもあのジャズな強烈な疾走。
 非日常的なテーマと先端的なギターとジャズな管の微妙なバランス、あるいはアンバランス。
 全部含めて意外にとっつきやすいアルバムだったりして。
 タイトルは“言語の不完全さ”の意?
 うーん、やはり摩訶不思議。

※別のバンドの演奏から。
 

posted by H.A.


【Disc Review】“Dans la Nuit” (2000) Louis Sclavis

“Dans la Nuit” (2000) Louis Sclavis

Louis Sclavis (clarinet, bass clarinet)
Jean-Louis Matinier (accordion) François Merville (percussion, marimba)
Dominique Pifarély (violin) Vincent Courtois (cello)

Dans La Nuit
ECM Records
2002-02-21


 フランスのクラリネット奏者Louis Sclavis、無声映画の仮想?サウンドトラック。
 そもそも不可解、理不尽な映画、演劇のような諸作からすれば、本領発揮なアルバム、なのでしょう。
 サポートはパーカッションに弦楽器、アコーディオン。
 ダークなムードで幕を開け、明るいのか暗いのか、すっとぼけてるのか沈痛なのかわからない、それらが交錯する展開。
 緊張感を煽る役回りのバイオリンとチェロ。
 雰囲気を和ませ安堵感を醸し出す役回りのアコーディオン。
 ときおり幻想を加えるマリンバ。
 それらに囲まれながら優雅にメロディを奏でるクラリネット。
 強烈な疾走は抑制し、あくまでアンサンブルの一員としての立ち振る舞い。
 ジャズな感じは薄く、室内楽クラシック、ミュゼット混じりな感じでしょうか。
 不思議感たっぷりですが、難解ではありません。
 少々の迷宮感、でも出口のない感じではありません。
 むしろメロディアスで展開も明確。
 激しい場面や強烈に悲しい場面があるわけではなく、かといって安らぎや希望に満ちた感じでもありません。
 淡々と進む音。
 感情を抑えて、諦観しつつ彷徨うようなムード。
 そんな映画なのかどうかはわかりません。
 タイトル通り「夜」、そんな感じ。
 摩訶不思議な夜。

※たぶんこの映像だと思うのですが・・・そんな音です。
 

posted by H.A.


【Disc Review】“L'Affrontement des Prétendants” (1999) Louis Sclavis

“L'Affrontement des Prétendants” (1999) Louis Sclavis

Louis Sclavis (Clarinet, Bass Clarinet, Soprano Saxophone)
Bruno Chevillon (Double-Bass) François Merville (Drums)
Jean-Luc Cappozzo (Trumpet) Vincent Courtois (Cello)

L'Affrontement Des Pretendants
Sclavis, Louis
Ecm Import
2001-05-22


 フランスのクラリネット奏者Louis Sclavis、1999年作。
 アルバムごとに編成が変わりますが、本作はコード楽器なし。
 ドラム、ベースとのトリオにトランペットとチェロがフロントに加わる編成。
 ジプシー系由来なのでしょうか、せわしなく複雑怪奇にアップダウンしながらこれでもかと続くすっとぼけたようなメロディを奏でるアンサンブル。
 妖しく不穏な例の空気感。
 ヒタヒタと迫ってくるようなビートを作るジャズなベースとドラム。
 ピアノ、ギターレスゆえのクールなムード。
 その上を縦横無尽に飛び跳ねるジャズなトランペット、緊張感を煽るチェロ、艶やかなクラリネット。
 ほどよいリバーヴを伴ったECMな美しい音。
 そんな音で奏でられる摩訶不思議な旋律。
 長いテーマの提示、アンサンブルが終わると始まる強烈なインプロビゼーション。
 混沌に突っ込んでいきそうでいかない、一歩手前ぐらいの危ういバランス。
 ときおり伸び縮みするビートを含めて、一時期のMiles Davis クインテットOrnette Colemanのような場面もある激しい系なジャズ。
 凄まじいまでの加速感、疾走感。
 が、テーマ、アンサンブルに戻ると不穏な不思議系・・・
 そんな掴みどころがあるようなないような、不思議な演奏の連続。
 そして静かな混沌の中で幕。
 ん?
 タイトルは“両手の対立”あるいは“求婚者の対立”の意?
 なるほど、それは摩訶不思議。

※近年の演奏から。
 

posted by H.A.


【Disc Review】“Acoustic Quartet” (1994) Louis Sclavis

“Acoustic Quartet” (1994) Louis Sclavis

Louis Sclavis (Clarinet, Bass Clarinet)
Marc Ducret (Guitar) Bruno Chevillon (Double-Bass)
Dominique Pifarély (Violin)


Acoustic Quartet
Pifarely, Dominique
Ecm Records
1994-04-12


 フランスのクラリネット奏者Louis Sclavis、ECMレコードでのおそらく第二作。
 ECMではこの後アルバムごとに編成を変えていきますが、本作は打楽器なし、“Rouge” (1991)のピアノがギターに変更。
 タイトル通り電子音はなし、先端系ロック系がメインであろうギターもアコースティックギターに徹しています。
 楽曲、演奏は現代音楽的。
 抽象的ではないにせよ、聞き慣れない音階、複雑にアップダウンする旋律、沈痛、陰鬱な空気感。
 バイオリンとチェロが醸し出す強烈な緊張感。
 それらとギターのコール&レスポンスの場面がたっぷり。
 メロディはジプシー系かスパニッシュ系か中近東系か、それらが交錯する流れ、繰り返されるリフはKing Crimsonな感じ、あるいはミニマルな感じ。
 ときおりそれらを抜け出すクラリネット、バイオリン、ギターの凄まじい疾走。
 が、再び周囲が絡みつき、陰鬱なリフ、コレクティブインプロビゼーションの混沌の中・・・地の底へ引きずり込まれるような絶望感・・・と感じるかどうかはさておき、強烈な緊張感。
 過激なはずのギターの音がむしろ爽やかに、妖しいはずのバスクラリネットのジャズな演奏が現実に引き戻す役回りに聞こえてしまう、そんなバランス。
 “Rouge” (1991)にあった仄かに明るいムードななく、終始ダークな緊張感が続きます。
 そんな気分に浸りたい際には最適な一枚。
 でも、ちょっと怖い。

※別のバンドの演奏から。
 

posted by H.A.



【Disc Review】“Rouge” (1991) Louis Sclavis

“Rouge” (1991) Louis Sclavis 

Louis Sclavis (Clarinets, Soprano Saxophone)
François Raulin (Piano, Synthesizer) Bruno Chevillon (Bass) Christian Ville (Drums)
Dominique Pifarély (Violin)

Rouge
Christian Ville
Ecm Records
2001-03-20


 フランスのクラリネット奏者Louis Sclavis、1991年、ECMレコードでの第一作。
 サポートはピアノトリオとバイオリン。
 ありそうな編成ですが普通のジャズではありません。
 妖しく不穏なムードに覆われた音。
 あちこちに飛んでいくビートと聞き慣れない音階、ところどころに表出するすっとぼけたようなムード。
 おもむろに始まる強烈な疾走。
 加速しながら突っ走るクラリネット、バイオリン、シンセサイザー。
 重いビートの場面はバイオリンの絡みを含めてKing Crimsonな感じ、ジャズなビートの場面はWeather Reportな感じ。
 が、次の場面は一転して静かで魔訶不思議な音の絡み合い・・・
 たっぷりのリバーヴが効いたクラリネットは美しい音、ジャズなインプロビゼーション。
 が、気が付けば不穏なコードが鳴り響き・・・
 通して理不尽、不可解な事柄をテーマにした映画、あるいは演劇のような音。
 どんなストーリーなのかは・・・さて、どうでしょう?
 抽象的なようでそうでもありません。
 ある意味怖い音、沈痛、陰鬱系なのですが、絶望的な暗さではありません。
 妖しいジャケットのポートレートのような音。
 とても怖い構図、が、白ベースの明度、パステルな挿し色が似合っていると思います。


 

posted by H.A.


【Disc Review】“Viva Eu” (2019) Barbara Casini & Toninho Horta

“Viva Eu” (2019) Barbara Casini & Toninho Horta

Barbara Casini (Vocals) Toninho Horta (Guitar, Vocals)
Giuseppe Fornaroli, Luiz Claudio Ramos (Guitar) Francis Hime (Piano)
Chico Buarque, Danilo Caymmi, Edu Lobo, Illesi (Vocals) Joyce Moreno, Nelson Angelo (Vocals, Guitar)

ヴィヴァ・エウ
BARBARA CASINI & TONINHO HORTA
Unimusic
2021-01-20


 イタリア在住ブラジリアン女性ボーカリストBarbara Casini、Toninho Hortaの双頭リーダー作。
 ブラジリアンアーティストNovelliの作品集。
 Toninho さんの近作“Shinkansen” (2020)は日本からでしたが、本作はイタリアから。
 明るく元気なそちらとは全く違うテイスト、抑制されたクールなブラジリアンポップス。
 たくさんの名前が並んでいますが、ベースなし、パーカッションなし、ピアノも少々のみ、ギターとヴォイスのデュオを中心として、楽曲によってゲストが加わる編成、静かな音。
 Toninhoさんもガットギターに徹してサポート中心、ときおりスキャット、ってなイメージ。
 シンプルで静かな音を背景にしたシャキッとしたヴォイス。
 バラード中心、いかにもブラジリアン、穏やかな哀愁をまとったSaudadeなメロディたち。
 あの丸い音の楽園エレキギターの登場場面はありませんが、当然ながらガットギターでの歌伴も名人芸。
 緩急自在、十分に華やかで過剰でない、絶妙なバランス。
 そして名前だけでごちそうさまな超々豪華なゲスト陣。
 気が付いていませんでしたがBarbaraさん、Joyce御大にそっくりの歌い方。
 二人で歌うと区別がつきません。
 その他含めて、ギターとヴォイスのみを中心としたシンプルなサウンドながら変幻自在。
 全編を通じた少し沈んだムード、ハイテンションに行き過ぎない抑制されたムードがとてもクールでエレガント。
 そんな中、締めは”Durango Kid” (1993)を思い起こすストロークと哀愁のメロディ、どこか遠くを眺めるような空気感、静かにかつドラマチックに幕。
 派手ではなく、浮かれるでもなく、かといって落ち込むでもなく、ジワジワくる系、沁みてくる系。
 そんなMPB。


 


(1979) "Terra dos Pássaros
(1980) ”Toninho Horta” 
(1988) ”Diamond Land” 
(1989) “Moonstone” 
(1992) ”Once I Loved” 
(1992) “Sambao” Kenny Barron 
(1993) ”Durango Kid” 
(1994) “Live in Moskow” 
(1994) ”Foot on the Road” 
(1994) “Toninho Horta & Carlos Fernando” 
(1995) ”Durango Kid 2” 
(1995) “Cem Boce” with Joyce 
(1997) “From Belo to Seoul” with Jack Lee 
(1997) “Serenade” 
(1998) ”To Jobim with Love” (From Ton to Tom) 
(1999) “Duets” with Nicola Stilo 
(2000) “Quadros Modernos” with Juarez Moreira and Chiquito Braga 
(2003) “Vira Vida” with Nicola Stilo 
(2004) ”Com o pé no forró” 
(2007) “Solo ao Vivo” 
(2007) “Toninho in Vienna” 
(2007) “Cape Horn” with Arismar do Espírito Santo 
(2008) “Tonight” with Tom Lellis 
(2010) ”Harmonia & Vozes” 
(2010) “From Napoli to Belo Horizonte” with Antonio Onorato 
(2012) ”Minas Tokyo” 
(2014) “No Horizonte de Napoli” with Stefano Silvestri 
(2015) "Alegria é Guardada em Cofres, Catedrais" with Alaíde Costa
(2013-2018) “Belo Horizonte” 
(2020) "Shinkansen"
(2020) “Viva Eu” with Barbara Casini

posted by H.A.


【Disc Review】“Shinkansen” (2020) Shinkansen

“Shinkansen” (2020) Shinkansen

“Shinkansen : Toninho Horta (guitar) Jaques Morelenbaum (cello) Liminha (bass) Marcos Suzano (percussion)
Guests : Branford Marsalis (soprano saxophone) Ryuichi Sakamoto (piano) Jessé Sadoc (trumpet, flugelhorn)

シンカンセン
Shinkansen
SMJ
2020-10-28


 Toninho Horta、新ユニットShinkansen:新幹線。
 あの名曲?のタイトルを冠したユニット。
 ギタートリオにこれまた日本に縁が浅くないJaques Morelenbaumのチェロが加わるバンド、楽曲によってこれまた豪華なゲストが加わる編成。
 意外にもカッチリした印象のジャズフュージョン。
 静かなパーカッションとエレキベースがビートを作り、エレキギターとチェロが代わる代わる前面に出て、ところどころにゲストが加わる、そんな構成。
 ソプラノサックスが聞こえると洒脱なフュージョンテイスト、ピアノが鳴っていると少々妖しい、ゲストの御方の色合い。
 ヴォイスの登場場面は少々のみのインスツルメンタルミュージック。
 のほほんとしたあの名曲?も、キッチリとしたリズム隊に後押しされ、キッチリとしたフュージョンに様変わり。
 ステディなビートを刻み続けるパーカッションに弾むエレキベース、攻めるチェロ。
 そしてフワフワと柔らかく丸っこいクリーントーンのエレキギターは、楽園で流れていそうな、そんな音。
 いつもながらのToninhoさんの柔らかくて軽快なブラジリアンミュージックではありますが、前作“Belo Horizonte” (2013-2018)とはちょっと違う面持ち、タイトなジャズフュージョン寄り。
 楽曲はオリジナル、少々哀しい、でも前向きなSaudadeなメロディたち。
 名作“Moonstone” (1989)辺りの感じに近いかもしれませんが、もっと直球でしょうか。
 攻めた感じの先端的で妖しい演奏もありますが、なんだかんだで優しい感じの勝ち。
 ちょっと拍子抜けなくらい平和で元気いっぱいですが、Toninhoさんが入っていれば、さらに彼の楽園エレキギターがたっぷり聞こえれば何でも名演。
 とても優しくてハッピーな感じ含めて、よろしいのではないでしょうか。


 

posted by H.A.


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