吉祥寺JazzSyndicate

 吉祥寺ジャズシンジケートは、東京、吉祥寺の某Barに集まるJazzファンのゆるーいコミュニティです。  コンテンポラリーJazzを中心に、音楽、アート、アニメ、カフェ、バー、面白グッズ、などなど、わがままに、気まぐれに、無責任に発信します。

【Disc Review】“Batik” (1978) Ralph Towner

“Batik” (1978) Ralph Towner
Ralph Towner (guitar, piano)
Eddie Gomez (bass) Jack DeJohnette (drums)

Batik: Touchstones Series (Dig)
Ralph Towner
Ecm Records
2008-09-30
ラルフ タウナー

 凄まじいグルーヴ感。
 強烈な推進力のリズムの上で、ギターが吟遊詩人のように歌う。
 抽象的なようでメロディック。
 穏やかなようで感情的。
 クールなようでエキサイティング。
 でもやはり温度感は低め、今の季節、木枯らしのような音。
 シンプルな編成、贅肉全くなし。
 それでいて万華鏡のような音。
 
 

posted by H.A.

【Disc Review】“Of Mist And Melting” (1977) Bill Connors

“Of Mist And Melting” (1977) Bill Connors
Bill Connors (guitar)
Jan Garbarek (saxophones) Gary Peacock (bass) Jack DeJohnette (drums)

ビル コナーズ


 あまり話題にならないけども、とても素晴らしい名アルバム。CDは廃盤かな?
 緊張感、グルーヴ感が凄まじい。
 リーダーはChick CoreaのReturn to Foreverのメンバーですが、そちら含めて詳しい情報は知りません。
 このアルバムではあまり前面には出ないで、アコースティックギターを中心に、音楽のベース作りに徹している感じでしょうか。
 凄いのがJack DeJohnetteのドラム。
 やはりこの時期の彼は凄まじい。
 手数も多いのだけど、ノリが他の人とは全然違う。
 ひたすら叩きまくっているようでとても繊細、ヒタヒタと迫ってくるような強烈な緊張感。
 高排気量のFR車、後ろから押されるような加速が止まらない。
 Jan Garbarekはいつも通りの緊張感の塊のような厳しく激しい音、1970年代型。
 決して好みではないのだけど、この雰囲気に合うのは彼しかいないかも。
 いつものようにキツめだけども、周りのシャープでクールな音とのバランスがちょうどいい感じ。
 特に一曲目は、私にとっての彼のベストパフォーマンス。
 さらに、ECMの1970年代の音と言われて、真っ先に頭に浮かぶのがこの演奏。
 尖った氷のように冷たく厳しい質感のとてつもなくカッコいい音。
 アメリカン中心のメンバーながら、純アメリカンなジャズとは異質な強烈なグルーヴ。
 見えてくるのはヨーロッパの凍てついた白い森。

 
 

posted by H.A.

【Disc Review】“Invisible Cinema” (2008) Aaron Parks

“Invisible Cinema” (2008) Aaron Parks
Aaron Parks(Piano)
Matt Penman (bass) Eric Harland (drums) Mike Moreno (guitar)

Invisible Cinema
Aaron Parks
Blue Note Records
2008-07-24
アーロン パークス

 私的に近年のアメリカ系コンテンポラリージャズの代表作と思っているアルバム。
 特徴は「浮遊感」、あるいは「軽さ」(悪い意味ではありません)。
 何拍子かわからない複雑なビート、やたら手数が多いドラム。だけども個々の音は妙に硬質で軽く、うるさくない。
 微妙なタメがあるうえに強烈な疾走感のあるピアノ。
 が、強烈に打鍵する場面はあまりなく、あくまで流麗で柔らかな音の組み立て方。
 ヨーロピアン、クラシック、あるいはKeith Jarrettあたりの影響が強いのかなとか思いつつも、そうでもなさそうな新しいタイプ。
 さらに、Mike Morenoのギター。
 Pat Metheny的な艶のある丸い音の輪郭を明確にした感じの音色。
 早く弾きまくるのではなく、あくまでゆったりとフレージングを中心としながら、なぜか時折強烈な疾走感。
 これまた流麗でしなやか。
 曲はメロディアスなんだけども、どこか不思議系。
 かといってシリアスではなく、暗くもありません。
 中には妙にプログレッシブロックっぽかったり、フォークロックっぽかったり、いろんな要素が入り混じります。
 ロック世代だったり、デジタル世代だったりするゆえの音使い、音作りなのかな。
 結果、全体では浮遊感が強く軽快で、さりげない印象の音楽。
 これが心地いいし、新しい。



posted by H.A.

【Disc Review】“Arborescence” (2011) Aaron Parks

“Arborescence” (2011) Aaron Parks
Aaron Parks (Piano)

Arborescence
Aaron Parks
Ecm Records
アーロンパークス

 ”Invisible Cinema” (2008)がカッコよかったコンテンポラリージャズ系ピアニスト、筆頭株のひとり。
 米国人?なのでしょうが、クラシックやヨーロッパの香りも漂っていて、柔らかな音で疾走感のある展開が得意そうな新しいタイプ。
 そんな中でのECMへの移籍。
 これは期待度120%。
 さて、一曲目、漂うようなバラード。
 Asleep in the Forestのタイトル通りに、美しくも怪しい不思議で静謐な演奏からスタート。
 これはキタかなあ、と思いつつ聞いていると、あれれ、そのまま盛り上がらずに終わってしまいます。
 まあ、始めはこんな感じかなあと思いつつ二曲目。
 これも美しく静かな流れで思索的に始まり、段々と盛り上がっていきます。
 タイトルはToward Awakening。
 その通りのイメージ。
 さて、来るかな、と思っていると音量を落とし終わります。
 以降も似た印象。
 全て即興のようですが、いずれも美しい曲、美しいピアノ。
 まとまりもよい。
 でも盛り上がらない。
 うーん。
 ”Invisible Cinema”のような疾走感や、さりげない昂揚感を期待してはいけなかったのかな。
 ま、先入観や願望はさておき、落ち着いたピアノが聞きたいときにはピッタリの好アルバムであります。




posted by H.A.

【コンテンポラリーな日々】N0.9 ~ジャズ喫茶と街のレコード屋さん~


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観光地として認知された廃墟は、すでに廃墟ではない。
by S.I. 



 今から約40年前、私が大学入学のため東京に来て一番嬉しかったのは、晴れてジャズ喫茶に出入りできるようになったことだったなァ。

 高校生のときにも地元の隣町のジャズ喫茶に何度か行ったことがあるけど、ドキドキもの。知り合いの人に出くわしたりして親にでも云われたら、ちょっと厄介なことになる。

 私が初めて東京に住んだのは駅からはだいぶ離れていたけど、高円寺で、結構な件数のジャズ喫茶があった。数年前たまたま高円寺のその界隈に行く機会があったので、私は懐かしさも手伝って、そのあたりを徘徊してみたのだけど、当時の店はひとつも見当たらなかった。

 
 まァ、40年近く経てば、ほとんど無くなるだろうけど、それらしい店も無く、風俗店が目立つばかりで、雰囲気も様変わりしていまして、客引きに腕でもつかまれそうだったのでそそくさと退散しました。

 
 当時のジャズ喫茶は、その大部分がいわゆるレコード喫茶。客はほとんどがコーヒーを注文し、かなり爆音で大型のスピーカーからジャズを流す。もちろんまだCDの無い時代だから、レコードのジャケットが掲げられA面かB面の表示が出ていた。

 
 客同士の会話はほとんど無く、「会話禁止」なんていう張り紙のある店もあった。お客さんは、コーヒーをすすりながら、ただひたすらスピーカーから流れ出る音に耳を傾けていたわけです。それでもけっこう入る時はわくわくしたし、楽しかったし、いろいろな発見もあった。

 
 お酒や食事をしながらマスターとジャズ談義をする店なんて、当時は行ったことがなかった。あるいは、そんな店もあったのかもしれないけど、当時の私はそんな楽しみ方の出来るほど大人ではなかった。

 
 ただひたすら音を聴いていたレコード喫茶でも、そこで得た情報や知識はかなり大きなものだったと思います。そこで聴いて気に入ったレコードを買ったものも、たくさんあったのは云うまでもありません。

 それから当時、街にはジャズ専門の小さなレコード店がけっこうありました。6畳ほどの小さなスペースの壁にびっしりレコードが並び、ぽつんと店主のおじさんが一人すわっている。そんな愛すべき店が、私たちジャズ好きの憩いの場でもあり大切なスペースでした。

 
 そんな店主のおじさんは、最初はちょっと怖かったけど、「これ下さい・・・」とか云ってレコードを差し出すと、「オー、これか、中々いいアルバムだよ」とか云って、ちょっとした解説をしてくれたり、関連する情報や逸話なんかも教えてくれたりした。

 そんな方々は、まだジャスファンになりたての若者にとっては敬愛すべき師匠でもあったし、絶好のナビゲーターでもあったと思います。

 
 よくよく考えると、当時は、わずかコーヒー一杯で何時間もねばる客ばかりでも、ジャズ喫茶の経営は充分成り立っていたのでしょう。それからジャズのみのレコードを小さなスペースで売るお店でも生計が立てられたのでしょうね。もちろん詳しい内情は良く分かりませんが、あの当時は都会でも少なくとも現在よりはかなり牧歌的でのんびりしていたのかもしれません。

 
 ジャズ喫茶や街の小さなレコード屋さんは、明らかに日本にとってのひとつの文化だったと思うのです。私たちジャズファンにとって古き良き昭和の一時代であったのかもしれない。

 
 大学を卒業し社会人になってから、ほとんど足の遠のいてしまったそんな店々も、気がついてみたら、ほとんど壊滅状態といってもいい惨状かもしれません。思えば私が大学生だった頃がそんなジャズ喫茶なんかの最盛期でもあり、もう既に衰退は始まっていたのかもしれません。

 
 あの頃のジャズ喫茶のマスターやレコード店の店主に感じたのは、「ホントーにジャズが好きなんなァ・・・」ということでした。あの方々は、まだお元気でしょうか、そして今でもジャズを心から愛しているのでしょうか・・・?

 
 さらに、ふと下の世代に目を転じると、現在の若者たちはジャズに興味を持ったとき、どんな方法で知識や情報を仕入れてゆくのだろうか、と思って、ちょっぴり心配になってしまいます。

 
 You-Tubeや専門のWebSiteなどネットで情報収集をするのか、細分化されたラジオか、雑誌なのか。レコードやCDを買うのではなく、ほとんどダウンロードなのか。だとするなら、少々味気ない気はしますが、それは私の世代の郷愁なのかもしれません。

 
 たとえ文化としては滅びても、当時の雰囲気を持ったジャズ喫茶やレコード(CD)屋さんが、ごくこくわずかでも残っていてくれればと願わずにはいられません。

 
 時が経つほどにジャズの歴史は長くなり、それだけ音源も豊富で、様々なタイプのジャズが生まれ、ますます複雑になっているし、おもしろくもなってると思います。そんなジャズを語り伝えるのは評論家とか専門の方でもいいけど、ジャズ喫茶やレコード屋のおじさんのような普通のジャズ好きであって欲しい気がするのです。

 なぜなら、あれから何十年も経った今、私のジャズの知識や趣向の源は、彼らであったと実感します。彼らはレコード会社やレーベルその他とは、一切利害関係が無かったから・・・なんて想像するのは、ちょっと考え過ぎでしょうか・・・?

si50posted by S.I.

【Disc Review】“Personalities” (2011) Fabian Almazan

“Personalities” (2011) Fabian Almazan
Fabian Almazan (piano)
Linda Oh (bass) Henry Cole (drum)

Personalities
Fabian Almazan
Palmetto Records
2011-11-21
ファビアン アルマザン

 キューバ出身のピアニストFabian Almazanのピアノトリオ+ストリングスによる少し変わった質感のジャズ。
 基本はピアノトリオでヨーロッパっぽいジャズなのですが、強烈な緊張感と、エレクトロニクス、ストリングスの使い方が斬新。
 ピアノトリオだけでも相当に濃口系なのだけども、数曲で入る怖いぐらいに緊張感の高い音使いのエレクトロニクスとストリングスが煽る。
 結果、プログレッシブロックに近い質感。ドラム、ベースのリズムが、ジャズ色が強いので何とかバランスを保っている感じ。
 甘いメロディのバラードもなぜか怖い。
 狂気が入り混じるような質感。
 でもアバンギャルドになり過ぎているかと言えばそうでもなく、微妙なバランス感覚。
 オリジナルの楽曲自体はマイナー系、哀愁系が中心でいい感じのメロディ。
 何曲かは普通っぽいいい感じのピアノトリオジャズ演奏があるのですが、エレクトロニクス、ストリングス交じりの強烈な演奏に意識が行ってしまいます。
 全体を漂う緊張感は好みが分かれそうな感じではあるけど、新しい質感のジャズではあります。
 Fabian Almazanのピアノ、出自からしてラテンっぽいかと思いきや、その色合いは薄く、どちらかと言えばヨーロッパ系の香り。
 タメを効かせた漂うような音の置き方等々、何か特別な感覚がありそう。
 ドラム、ベースも激しく動くタイプ、一級品の演奏。
 深刻系を聞きたくなった時にちょうどいいアルバム。




posted by H.A.

【Disc Review】 “Music for Piano and Drums” (2004) Moraz • Bruford

“Music for Piano and Drums” (2004) Moraz • Bruford
Bill Bruford (drum) Patrick Moraz (piano)







 先に紹介したキングクリムゾン絡みのCrimson Jazz Trioに続いて、今回はイエス絡みの登場!
 とは言ってもドラマーのビルブラッフォードはイエスのオリジナルメンバーだが同バンドに見限りをつけ、より即興性の強いキングクリムゾンに加入した、イエスファンからすれば裏切り者?かもしれませんが・・・・・
 なにはともあれ、英国プログレシーンの王道を築いたグレイトミュージシャンであることは承知の事実。
 彼が83年にたまたま同じ町に住んでいた、これまたイエスのリレイヤーという最も アグレッシブなアルバムに多大なる貢献を果たしたキーボード奏者パトリックモラーツと2人だけで製作した、極めて即興性の高い良質なアルバムです。
 プログレッシブロックと言う、カテゴライズされた音楽ジャンルの中にも、ここまでジャズ化された(コレクティブインプロ、アドリブ、即興性という意味合いで。)優れものを見出す事ができます。


 

posted by M.A.
 

【Disc Review】“This Just In” (Dec.2011,Jan.2012) Gilad Hekselman

“This Just In” (Dec.2011,Jan.2012) Gilad Hekselman
Gilad Hekselman (guitar)
Joe Martin (bass) Marcus Gilmore (drum) Mark Turner (sax)

This Just In [輸入盤]
Gilad Hekselman
Jazz Village
2013-04-25
ギラッド ヘクセルマン

 若手ギタリストGilad Hekselmanの2012年作。
 複雑なメロディ、複雑なビート、浮遊感の強いギター、サックスがいかにも現代的なニューヨーク系コンテンポラリージャズ作品。
 メンバーは前作"Hearts Wide Open" (2011)から変更なし。
 現在のファーストコールが揃った現代系ジャズのベストメンバー。
 この人の作品、淡い色合いの複雑系の曲作りが特徴のように思いますが、前作からアルバムとしては組曲的な構成となっています。
 結果、個々の楽曲、演奏の複雑感、強烈な浮遊感はそのままに、アルバムの起承転結が明確になり、盛り上がり~完結感がいい感じ。
 アルバム全体が一編のストーリーとしてスキッリとまとまった印象で、淡い色合いながらとてもドラマチック。
 ギターはちょっと太めで艶のあるクリアな音色を中心に、複雑でふわふわと漂うような個性的な音使い。
 次から次へと湧き出してくるようなイメージが特徴的なフレージング。
 予測不能な音使い、ハイテンションなようで、あくまで柔らかで穏やか、スムースな質感。
 数曲で客演するMark Turnerもいつものクールさ、浮遊感に加えて、激しくドラマチックなインプロビゼーション。
 そして全編で叩きまくり、盛り上げまくるMarcus Gilmoreのドラム。
 こりゃ気持ちいいや。
 強烈な浮遊感、ハイテンションなインプロビゼーションが醸し出すほどよい緊張感が、とても心地いいバランス。
 とてもクールです。




posted by H.A.

【Disc Review】“There's a Storm Inside” (2010) Chico Pinheiro

“There's a Storm Inside” (2010) Chico Pinheiro
Chico Pinheiro (Guitar, Vocals)
Lula Alencar (Accordion) Luciana Alves (Vocals) Nailor "Proveta" Azevedo (Clarinet) Marco Bosco (Percussion, Triangle) Paulo Calasans (Fender Rhodes, Piano, Electric Piano) Marcelo Mariana (Electric Bass) Bob Mintzer (Bass Clarinet, Tenor Sax) Paulo Pauleli (Acoustic Bass, Mouth Drums) Zé Pitoco (Vocals) Dianne Reeves(Vocals) Edú Ribeiro (Drums) Otmaro Ruíz (Electric Piano) Fabio Torres (Piano, Electric Piano) and strings

There's a Storm Inside
Chico Pinheiro
Sunny Side
2010-08-31
シコ ピニエロ

 ブラジルのギタリスト&ボーカリストChico Pinheiroの2010年盤。
 凄いギタリストだと思っているのですが、リーダー作ではボーカルを前に出したポップス、ボサノバ色・ジャズ色の強い、いわゆるMPB。
 質感はあくまでポップスですが、バンドの演奏は極めて高レベル。
 特にリズムが強烈で、シンプルに歌を乗せてしまうにはもったいないぐらい。
 結果的に、ゆったりした感じではなく、テンションは少々高め。
 冒頭、スタンダードナンバーからスタートしますが、ジャズ色ではなく、あくまでボッサ色が強いポップス仕立て。
 Chet Baker風の線の細いボーカルがいい感じ。
 二曲目からはさらに本領発揮。
 アップテンポでの何とも言えないノリのガットギターとピアノトリオのバッキング。
 全員揃ってさりげないのだけども、強烈なグルーブ感。
 そんな心地よいリズムの上に、これまたさりげないボーカル、強烈なギターソロ。
 この人のギター、エレキギターになると急にジャズっぽくなり、高速フレーズを連発。
でもなぜかスペースは控えめ。もったいないけど、歌を生かすにはこのくらいのバランスが適当なのかな?
 楽曲はMPB色の強いオリジナルからスティービーワンダーまでさまざまなテイスト。
 さらにいつも数曲で加わる女性ボーカルのLuciana Alvesも儚げ、怪しげでいい感じ。



posted by H.A.

【Disc Review】“Meia-Noite Meio-Dia” (2003) Chico Pinheiro

“Meia-Noite Meio-Dia” (2003) Chico Pinheiro
Chico Pinheiro (guitar, vocal)
Fábio Torres, Tiago Costa (Piano) Marcelo Mariano, Paulo Paulelli (Bass) Edu Ribeiro, Erivelton Silva (Drums) Armando Marçal (Percussion) Swami Jr. (Guitar) Proveta (Clarinet) Teco Cardoso (Flute, Baritone sax) Chico César, Ed Motta, Lenine, Luciana Alves, Maria Rita (Vacals)

Meia Noite Meio Dia
Chico Pinheiro
Ais
2006-05-31
シコ ピニエロ

 ブラジルのギター&ボーカリスト。
 このアルバムがデビュー作だったのでしょうか?
 とにかく素敵なアルバム、ミュージシャン。
 ボサノバではなく、いわゆるMPB、ブラジリアンポップス。
 曲作り、編曲がものすごくいい感じ。
 もちろん全編ブラジルテイストで、リズムはボッサが中心、メロディは哀愁系、自身を含めたボーカル陣も伝統のウイスパー系が中心なのだけど、なぜか現代的、都会的でクールな質感。
 ストリングスなども絡めつつ、曲ごとにいろんなミュージシャンを集めてどの曲もいい感じのアレンジ。
 かといって作り込みすぎる訳では無く、適度なテンションとゆるさがちょうどいいバランス。
 しっとりしたバラードから、ボサノバ、グルーブの強いベースラインがカッコいいブラジリアンフュージョンまで多彩な構成。
 でも一貫性は感じられるし、この人独特の色合いが常に流れています。
 さらにギターが上手い。ガットギターはもちろん、エレキギターも。
 インプロビゼーションではあまり沢山のスペースは取らないのだけども、クリーントーンで何とも言えない雰囲気、疾走感のあるフレーズを連発。
 ブラジル系独特のノリのよさはそのままに、テンション高め、クールな質感で個性的。
 これまたカッコいい現代的都会的ブラジリアンミュージック。




posted by H.A.
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