吉祥寺JazzSyndicate

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【Disc Review】“Cello” (1991,1992) David Darling

“Cello” (1991,1992) David Darling
David Darling (cello)

Cello
David Darling
Ecm Records
デヴィッド ダーリング



 David Darling、タイトル通り、チェロのソロ作品。
 “Journal October” (1979)から十年振り。
 同じくオーバーダビングはありますが、本作はチェロのみ。
 ECMでの前作、コンボでの”Cycles” (1981)のようなビート感はなく、クラシック的な作品です。
 “Journal October” (1979)は少しとんがったイメージがありましたが、こちらはとても穏やかな表情。
 低く響く沈んだ音。
 ゆったりと漂うような抽象的なメロディ、漂いながら落としどころを探しているような展開。
 静かで内省的、心の深いところを眺めるような音、そんなイメージの音。
 かといって暗いわけでも深刻でもありません。
 あくまで穏やかです。
 Weekdayの朝に聞くと一日弛緩してしまいそうだけども、休日の朝にはピッタリ。
 “Dark Wood”とタイトルされた曲が三曲。
 おそらく続編、次作“Dark Wood”(1993)へと続きます。




posted by H.A.

【Disc Review】“Journal October” (1979) David Darling

“Journal October” (1979) David Darling
David Darling (acoustic, electric cello, voice, percussion)

Journal October
David Darling
Ecm Import
デヴィッド ダーリング


 アメリカのチェリストDavid Darling、ECMでの初作品。
 Ralph Towner、Collin Walcottなども参加していたサックスのPaul Winterのバンドにも参加していたようです。
 元々、民族色も交えた新しいテイストの音楽、ECMカラーとイメージが合う人なのでしょう。
 本作はチェロを中心としたソロ演奏、クラシックの色合いも強い音楽。
 後年の“Cello” (1991,1992)あたりと比べると、フリージャズの色合い、エレクトリックチェロの使用など含めて、素直にクラシックな感じではありません。
 もちろんポップスでもジャズでもない不思議な音楽。
 フリージャズ的なムード、フリーインプロビゼーションの色合いもありますが、おそらく計算しつくされた音作りなのでしょう。
 全編に漂う不思議感。
 さらに強い寂寥感。
 この人の音楽はいつも悲し気。
 絶望や激情があるわけではないのですが、なぜか悲し気。
 チェロの響きに自体にもいつも悲し気な色を感じます。
 メロディアスな展開と抽象的、実験的な色合いが半々。
 複雑で予想できない流れの中に響く、これまた予想できない悲し気なチェロの音。 
 何曲かのとてもメロディアスな曲、背景を作るピチカートとメロディを紡ぐアルコとの絶妙な組み合わせが印象に残ります。
 不思議な構成の中から突然現れる美しいメロディ、チェロの音色、その抑揚、表現力には、いつも胸を締め付けられるような思いを感じます。
 怖いわけでも、鬼気迫るといった感じでもないのですが、淡々とした感傷、あるいは寂寥。
 そんな感じ。
 その色合いは、次作、コンボでの名作”Cycles” (1981) へと続きます。




posted by H.A.

【Disc Review】”Travel Guide” (2012) Ralph Towner, Wolfgang Muthspiel, Slava Grigoryan

”Travel Guide” (2012) Ralph Towner, Wolfgang Muthspiel, Slava Grigoryan
Ralph Towner (classical, 12-string guitars) Wolfgang Muthspiel (electric guitar, voice) Slava Grigoryan (classical, baritone guitars)

Travel Guide
Towner
Ecm Records
ラルフ タウナー


 ECMでのRalph Towner の久々の作品。
 リーダー作は”Time Line” (Sep.2005)以降しばらく途絶えていましたが、共演作“Chiaroscuro” (2009) with  Paolo Fresu、別レーベルのOregonでの作品は何作かあるようです。
 ギター3人による穏やかなアルバム。
 オーストリア出身の何でもありのコンテンポラリー系Wolfgang Muthspiel、Slava Grigoryanはオーストラリアのクラシックギタリスト。
 ECMの企画だと思っていましたが、同じメンバー、別レーベルで“From a Dream” (2008)といった作品があるようです。
 Wolfgang Muthspielがエレキギター、他2名がガットギター中心。
 激しいチェイスやバトルもあるのかな、と思いきや、全編意外なほどに穏やかな質感、アンサンブル中心。
 激しい場面も奇をてらうこともない淡々とした音楽。
 その意味では”Time Line” (Sep.2005)や“Driftwood” (2014) Wolfgang Muthspielに近いかもしれません。
 Ralph Townerのギターも穏やかな音。
 他のメンバーも同様。
 楽曲はWolfgang Muthspiel、Ralph Townerの2名が提供。
 いずれも哀感が漂う淡い色合いの楽曲揃い。
 誰も激しい音や変わった音を使うことはありません。
 優しくて穏やか、少々の寂寥感。
 温かな昼下がりのような音。





 Ralph Towner、ECMの作品を中心にザックリと。
 Oregonでの作品含めて他にもたくさんあるのでしょう。
 カッコいいピアノとのDuoが聞ける”Diary” (Apl.1973) が別格のお気に入り。
 他には”Batik” (Jan.1978)、“Old Friends, New Friends” (Jul.1979)、”Solo Concert” (Oct.1979)がいいかなあ、と思っていたら、不思議にも同時期の録音。
 何が違うのかはわからないのですが。
 諸々の編成、諸々の種類の音楽がありますが、氷のように冷たくハイテンションな1970年代、“Old Friends, New Friends” (Jul.1979)ぐらいから優しく穏やかになっていたようなイメージ。
 おそらく1970年代はECMマジックで、その後の穏やかな音が彼の本質なような気がします。
 その移行の過渡期が上記の三作あたり、過渡期ならではのカッコよさなのかもしれません。
 決して枯れていっている感じではなく、新しい作品が出るたびに穏やかになっていく感じ。
 音質も鋭い1970年代に対して少し丸めの近作。
 少し違う印象はありますが透明度は同様。
 1970年代の録音が今の作品に聞こえてしまうのがECMの凄いところ。
 このレーベルだけ?
 OregonのVanguardレーベルもよかったなあ。

(1972)     ”Trios / Solos” Ralph Towner / Glen Moore
(Apl.1973)    ”Diary
(Jul.1974)    ”Matchbook” with Gary Burton
(Dec.1974)   ”Solstice
(May.1976)   ”Sargasso Sea” with John Abercrombie
(Dec.1976)   ”Dis” Jan Garbarek
(Feb.1977)   ”Solstice/Sound and Shadows
(Jul.1977)    “Deer Wan” Kenny Wheeler
(Nov.1977)    ”Sol Do Meio Dia” Egberto Gismonti
(Jan.1978)    ”Batik
(Jul.1979)    “Old Friends, New Friends
(Oct.1979)    ”Solo Concert
(1980)     “Départ”  Azimuth 
(Mar.1981)    ”Five Years Later” with John Abercrombie
(Dec.1982)    ”Blue Sun
(Feb.1983)    ”Oregon” Oregon
(Oct.1984)    ”Crossing” Oregon
(May.1985)    ”Slide Show” with Gary Burton
(1987)      “Ecotopia” Oregon
(Jan-Dec.1988) ”City of Eyes
(1989)      "45th Parallel"  Oregon
(1991)      "Always, Never and Forever" Oregon
(1991,1992)   ”Open Letter
(1988,1991,1992) “If You Look Far Enough”  Arild Andersen
(1993)      "Troika" Oregon
(May.1993)   ”Oracle” with Gary Peacock
(1995)      "Beyond Words" Oregon
(May.1995)   ”Lost and Found
(Oct.Nov.1995) "Fabula" Maria João
(Dec.1995)   ”A Closer View” with Gary Peacock
(Mar.1996)   ”Ana
(1997)     “If Summer Had Its Ghosts” with Bill Bruford & Eddie Gomez
(1997)      "Northwest Passage"  Oregon
(1998)      "Music for a Midsummer Night's Dream"  Oregon
(2000)      "In Moscow"  Oregon with the Moscow Tchaikovsky Symphony Orchestra
(Feb.2000)   ”Anthem
(2002)      "Live at Yoshi's"  Oregon
(2005)      "Prime" Oregon
(Sep.2005)   ”Time Line
(2007)      "1000 Kilometers"  Oregon
(2008)     “From a Dream” with Slava Grigoryan and Wolfgang Muthspiel
(Oct.2008)   ”Chiaroscuro” with Paolo Fresu
(2010)      "In Stride"
(2012)      "Family Tree" 
(2013)     ”Travel Guide” with Wolfgang Muthspiel, Slava Grigoryan


posted by H.A.

【Disc Review】”Time Line” (Sep.2005) Ralph Towner

”Time Line” (Sep.2005) Ralph Towner
Ralph Towner (classical guitar, 12 string guitar)

Time Line
Ralph Towner
Ecm Records
ラルフ タウナー


 ”Ana” (Mar.1996)、”Anthem” (Feb.2000)に続くギターソロ三部作、完結編・・・
 ・・・かどうかはわかりませんが、これまた全く同質、金太郎飴のような作品。
 そんな中でもこのアルバムが一番穏やかで優しい表情かもしれません。
 漂うビート感、愁いを含んだメロディ、静謐で清廉なギターの響き・・・
 淡い色合いの曖昧なメロディ、音の流れの中から突然現れる美しいメロディ、展開・・・
 終始、穏やかな表情。
 少々のノスタルジー。
 流れていると部屋の空気が浄化されていくような錯覚。
 本作のテーマはテーマは何なのでしょうね?
 素直にとらえて時間の経過なのでしょうかね? そういわれればシリーズ内では一番ノスタルジックで穏やかな感じもします。
 想像するしかないのですが、さておき、集中して分析的に向き合うよりは、心地よい音の空間にボケーっと気持ちを委ねるなり、頭の片隅でとらえるともなく聞く、なんて感じの方がいいのかもしれません。
 そんなこんなでこれまた想像力を掻き立てる、静かで優しい心地よい音空間。




posted by H.A.

【Disc Review】”Anthem” (Feb.2000) Ralph Towner

”Anthem” (Feb.2000) Ralph Towner
Ralph Towner (classical guitar, 12 string guitar)

Anthem
Ralph Towner
Ecm Records
ラルフ タウナー


 ”Ana” (Mar.1996)に続くギターソロ作品。
 こちらも全く同質、穏やかで美しい演奏集。
 タイトルの”Anthem:聖歌?讃美歌?”の厳かなイメージではなく、美しくも、もう少し砕けた感じの演奏集。
 “Comets:流星?”とタイトルされた短い曲の組曲が2編。
 途中に配置される“Gloria's Step“、締めは”Goodbye, Pork-Pie Hat” 。
 今は亡きScott LaFaro、Bill Evans、Charles Mingusへのオマージュ、その他、ジャズジャイアントへ捧げた讃美歌なのかな?
 ・・・なんて勝手に想像をしながら聞いていると、時間があっという間に・・・
 この期の3作品は、全て静かで穏やかながら、そんな想像力を喚起する音。




posted by H.A.

【Disc Review】”Ana” (Mar.1996) Ralph Towner

”Ana” (Mar.1996) Ralph Towner
Ralph Towner (classical guitar, 12 string guitar)

Ana
Ralph Towner
Ecm Records
ラルフ タウナー


 Ralph Towner、ここからソロ作品が3作続きますがその第一弾。
 とても穏やかなシリーズ。
 ECM初期の冷たく鋭いRalph Townerではなく、透明度はそのままに穏やかで温かなRalph Towner。
 1970年代の厳しい質感はもうありません。
 Ralph Towner自身の変化もあるのでしょうし、時代の変化、あるいはECM、総帥Manfred Eicherの変化でもあるのでしょう。
 ECMの他のアーティストの作風もあわせて考えると、録音の具合と、それを含めてコントロールするManfred Eicherさんの変化が一番大きいような気がするなあ・・・
 1分程度の短い演奏がいくつも配置され、組曲風?になっている構成。
 ここからの3部作、各作品の間が4-5年開いていますので、その間で出来上がってきたイメージを音で紡いでみた・・・ってな感じなのでしょうかね。
 瑞々しい音、ゆっくりと漂うようなビート感。
 全編ルバートってな感じではなく、この人らしくカッチリした質感ですが、それでも浮遊感の強い音空間。
 全てオリジナル曲、センチメンタルで愁いを含んだメロディ。
 少々のエキゾチシズム。
 Oregonでのバージョンもある“Joyful Departure”、あるいは”Carib Crib”なんて組曲もありますので、本作のテーマは「旅」なのでしょうか?
 まさか全日空をご存じ、ご愛用なわけではないでしょうけどねえ・・・
 なんて馬鹿なことを勝手に想像しながら、静かで穏やかな音に気持ちを委ねるとしましょう。



posted by H.A.

【Disc Review】”A Closer View” (Dec.1995) Ralph Towner, Gary Peacock

”A Closer View” (Dec.1995) Ralph Towner, Gary Peacock
Gary Peacock (bass) Ralph Towner (classical guitar, 12 string guitar)

Closer View
Ralph Towner
Ecm Records
ラルフ タウナー
ゲイリー ピーコック


 ”Oracle” (May.1993)に続くGary Peacock, Ralph TownerのDuo。
 そちらはGary Peacockの楽曲中心でしたが、本作はRalph Townerの楽曲中心。
 前作に比べてビート感が弱め、穏やかで淡い色合い。
 Gary Peacockが少々遠慮気味・・・といったことでもないのでしょうが、抑え目で落ち着いた印象。
 控えめに土台を作るベース。
 メランコリックなメロディを紡ぐ瑞々しいギター。
 静かに淡々と進む時間。
 どこか懐かし気な郷愁感を誘うムード。
 以降のRalph Townerのアルバムはそんな音楽が多くなります。
 とても穏やかで素敵な時間。




posted by H.A.

【Disc Review】”Lost and Found” (May.1995) Ralph Towner

”Lost and Found” (May.1995) Ralph Towner
Ralph Towner (twelve-string guitar, classical guitar)
Denney Goodhew (sopranino, soprano, baritone sax, bass clarinet) Marc Johnson (bass) Jon Christensen (drums)

Lost and Found
Ralph Towner
Ecm Import
ラルフ タウナー


 Ralph Towner、ソロ、Duo、バンドその他、諸々の編成が入り混じるアルバム。
 穏やかなギターソロ、フリーなインプロビゼーション、ハイテンションでエキサイティングな演奏、センチメンタルでメロディアスな楽曲・・・等々。
 3-5分程度の短い演奏を中心として、次々と編成、音の質感が変わっていく目まぐるしい展開。
 全体のイメージを支配するのは数曲のRalph Townerのギターソロ曲。
 静謐で瑞々しいRalph Townerワールド。
 が、いつもの編成、質感が統一されたアルバムとは異なるので、異色と言えばそう。 
 Marc Johnsonのべースが寄り添いつつ明確なビート感、グルーヴを作り、Ralph Townerが自由に漂い、他のメンバーが彩りをつける、そんなイメージが中心でしょうか。
 コンボでは、Oregonと同編成で、管楽器も似たテイスト。
 新Oregonを作ろうといったことではないのでしょうが、コンボでの演奏にはそんなムードも無きにしも非ず。
 ビート感が明確な分、この人にしては珍しくジャズ度が高い演奏もいくつか。 
 楽曲はいつもながらのメランコリックなオリジナル曲中心。
 フリーな演奏も何曲かありますが、その間にメロディアスな曲がちりばめられています。
 全体を眺めれば、ECMのRalph Towner作品特有の冷ややかな質感ではありますが、この頃の作品は少々穏やかで優し気、何かしら懐かし気なムード。
 さまざまな表情の演奏は、ある意味ここまでの集大成と言えなくもないのでしょう。
 あるいは、“Ecotopia” (1987)などを通じてポップな方向に転換済みのOregonに変わる新しい方向を模索しているところなのかもしれません。
 いずれにしても、Ralph Townerワールドのショーケースなアルバム。


 

posted by H.A.

【Disc Review】”Oracle” (May.1993) Gary Peacock, Ralph Towner

”Oracle” (May.1993) Gary Peacock, Ralph Towner
Gary Peacock (bass) Ralph Towner (classical guitar, 12 string guitar)

Oracle
Gary Peacock
Ecm Import
ゲイリー ピーコック
ラルフ タウナー


 Gary Peacock, Ralph Towner大御所二人のDuo。
 もう一作”A Closer View” (Dec.1995)がありますが、楽曲提供からするとそちらはRalph Towner、本作はGary Peacockがイニシアティブをとっていたのでしょう。
 メランコリックな不思議系のメロディは二人とも共通、どちらがリーダーであっても違和感のない内容。
 Ralph Towner、DuoであれTrioであれ、ドラムであれベースであれ、しっかり背景を作ってくれるミュージシャンとの共演であれば、シングルトーンでのカッコいいソロを展開してくれます。
 ソロギターのような縦横無尽な自由さはありませんが、その分キッチリまとまったわかりやすい展開。
 推進力が強くよく動くベースの沈んだ胴鳴りと、いつもながらに瑞々しいギターの音のコンビネーションは絶妙。
 ビート感が明快で、ジャズファンからすれば聞きやすくなっているかもしれません。
 メロディは不思議系、抽象度高い系中心。
 愛想はない演奏なのかもしれませんし、強烈な興奮はありませんが、穏やかで上質な匠のインタープレーを楽しみましょう。 




posted by H.A.

【Disc Review】”Open Letter” (Jul.1991,Feb.1992) Ralph Towner

”Open Letter” (Jul.1991,Feb.1992) Ralph Towner
Ralph Towner (12string guitar, classical guitar, synthesizer)
Peter Erskine (drums)

Open Letter
Universal Music LLC
ラルフ タウナー



 Ralph Towner、スペーシーなシンセサイザー、さらにはジャズなドラムを背景にしたギターミュージック。
 ドラムのサポートが入りますが、ソロ作品”Blue Sun” (Dec.1982)に近い印象。
 ビート感を含めてデジタル臭もあるのですが、瑞々しいギターのあくまでアコースティックな質感と少々の揺らぎの勝ち。デジタルな世界には行きません。
 とても静かで穏やかな演奏、近未来的で幻想的な演奏が印象に残りますが、前作”City of Eyes” (Jan-Dec.1988)と同様にポップな曲もあったりフュージョンっぽい曲もあったり、幅のあるテイスト。
 Peter Erskineがいるからでもないのでしょうが、Weather Reportの香りも少々感じるのも前作同様。
 ビートが効いた曲などは珍しくジャズっぽく、それも新しい感じでカッコいい。
 オーソドックス系のドラムと、自由なRalph Townerはいい感じの組み合わせ。
 ”Matchbook” (Jul.1974) Ralph Towner, Gary Burtonと同様、一人だといろんな方向へ飛んでいくギターを、相棒がうまく引き留めているような感じもします。
 よく取り上げるBill Evansナンバー、本作では”Waltz for Debby”。
 こちらは奇をてらうことなくソロギターで、スウィンギーないかにもな演奏。
 続くスタンダード“I Fall in Love Too Easily”のソロ演奏含めて、まがうことなき名人芸。
 それにしても、ギターはもちろん、シンセサイザーも含めて透明度の高い音。
 心地よさは、”Solo Concert” (Oct.1979)と双璧かも。
 こちらの方がマイルドかな?
 流しているだけで空気が浄化されるような美しいアルバム。




posted by H.A.
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