吉祥寺JazzSyndicate

 吉祥寺ジャズシンジケートは、東京、吉祥寺の某Barに集まるJazzファンのゆるーいコミュニティです。  コンテンポラリーJazzを中心に、音楽、アート、アニメ、カフェ、バー、面白グッズ、などなど、わがままに、気まぐれに、無責任に発信します。

“Isabela” (2021) Oded Tzur

“Isabela” (2021) Oded Tzur

Oded Tzur (tenor sax)

Nitai Hershkovits (piano) Petros Klampanis (double-bass) Johnathan Blake (drums)


Isabela
Oded Tzur
ECM
2022-05-13


 イスラエルのサックス奏者Oded Tzur、ECMレコードでの第二作、郷愁感たっぷりのコンテンポラリージャズ。

 前作“Here Be Dragons” (2019)は静かで穏やかな名作でしたが、本作も同じメンバー。

 同胞のピアニストに欧米のベース&ドラム、オーソドックスなジャズカルテット編成。

 冒頭は、僅か二分に満たない時間ながら、静けさから激烈一歩手前まで展開する、このアルバム全体を象徴するようなイントロダクション。

 続いてミディアムテンポに乗った懐かしさが溢れるようなメロディ。

 少々のエキゾチシズムを纏ったSaudadeな世界。

 例によって日本の懐かしいメロディに通じる感じなのが不思議。

 Charles Lloydな感じの透明度が高く美しい音からダーティな音までが交錯するサックス、軽快に動きまくるピアノ。

 このピアノが凄い。

 転がりまくり、要所々で疾走しまくり。

 あくまでサポートしている感じではあるのですが、軽やかで美しいフレージング、強烈な存在感。

 前作では繊細なイメージが強かったように思うのですが、本作では強烈な疾走が前面に。
 同胞の名手Shai Maestroにも近い感じは現代イスラエルの色合いなのかもしれませんし、近年のECMレコードのピアニストの代表的な色合いの一つかもしれません。

 いずれにして凄まじい演奏力。

 終始穏やかな前作とはまた違った、徐々に音量と激しさを増していくハイテンションな演奏が印象に残ります。

 そして終盤に収められた10分を超えるタイトル曲は、今にも止まりそうなスローバラード。

 ドラムが定常にビートを出している時間が長い分、ECMレコードのお約束全編ルバートな感じではないのですが、強烈な浮遊感。

 穏やかで懐かし気なメロディと空気感。

 漂うサックス、軽やかに転がるピアノ、目まぐるしくパターンを変え、テンションを上げながら自由な形に遷移していく、あくまで静かなドラム。

 とてもドラマチック。

 そして締めはいかにもイスラエルな感じのエスニックなメロディ、アップテンポのハイテンションな演奏。

 これまたドラマチック。

 凄まじい演奏力に裏打ちされた、少しだけエスニックな違和感が漂うコンテンポラリージャズ、ってな感じでカッコいいんじゃないでしょうか。




posted by H.A.



【Disc Review】“Naked Truth” (2021) Avishai Cohen

“Naked Truth” (2021) Avishai Cohen


Avishai Cohen (Trumpet)

Yonathan Avishai (Piano) Barak Mori (Bass) Ziv Ravitz (Drums)


Naked Truth
Cohen, Avishai
Ecm
2022-02-25


 イスラエルのトランペッターAvishai Cohen、ECMレコードから。

 穏やかで不思議なコンテンポラリージャズ。

 ギターが入り先端ロック色も混ざる前作“Big Vicious” (2019)から変わって、オーソドックスなワンホーンカルテット編成。

 その前の“Playing The Room” (2018), “Cross My Palm With Silver” (2016)あたりからさらに抑制された印象の音。

 組曲なのでしょう。

 テーマは自然との関係と絡めた“悟り”的(?)なイメージでしょうか、そんな音。

 全編通じて静かで穏やか、淡い色合い。

 前後左右に舞い散るあくまで静かなシンバル、ドラム。

 控え目なピアノ、ベース。

 絞られた音数、音量、適度なエコーを纏い、まるで耳元で鳴っているようなトランペット。

 とても繊細。

 全編を覆う浮遊感。

 いわゆるテーマからインプロビゼーションといったジャズなフォーマットではありません。

 エキゾチックなのか何なのか、聞き慣れない音階、少し哀し気で不穏な感じがしないでもない、でも決して暗くはない、難解でも気難しくもない不思議感たっぷりのメロディ、というかリフ、というか・・・、なんと申しましょうか。

 ビートは効いていてジャズな感じではあるのですが、前掲の諸作とも違う、なんとも不思議な空気感。

 強い音やドカーンとくる場面はありません。

 が、穏やかに高揚する場面が散りばめられていて、それらと全編を通じた不思議感と浮遊感とのバランスがいい感じ。

 いずれにしても、とても繊細で美しい音と相まって、心地よい音。

 気持ち穏やか。



posted by H.A.



【Disc Review】“Urubu” (1975) Antônio Carlos Jobim

“Urubu” (1975) Antônio Carlos Jobim

Antônio Carlos Jobim (piano, electric piano, guitar, vocals)
Ron Carter (double bass) João Palma (drums)
Miucha (vocals) and Orchestra

URUBU
JOBIM, ANTONIO CARLO
WEA
2016-09-16


 1975年の神様。
 こちらも前作に当たるのであろう“Jobim” (1972)と同じく、半数ほどが歌入り、半数はオーケストラ、アレンジはClaus Ogerman。
 諸作同様、優雅な場面は多いのですが、攻めています。
 ボサノバっぽい感じは抑制され、ビリンボウ?と密林なムードから始まり、エレピが妖しく響く場面がしばしば。
 普通なボサノバ、あるいはジャズ、フュージョンってな感じはなく、全体の印象は少々深刻、重々しいムード。
 ここまでくると、前半はラヴロマンス、後半はスぺクタル映画のサントラのような面持ち。
 そんな中、優雅なオーケストラに包み込まれた名曲“Ligia”も創造者御自らのお声。
 ありがたい。



posted by H.A.



【Disc Review】“Jobim” (1972) Antônio Carlos Jobim

“Jobim” (1972) Antônio Carlos Jobim

Antônio Carlos Jobim (guitar, piano, vocals)
Richard Davis, Ron Carter (bass) Airto Moreira, George Devens, João Palma (percussion)
Urbie Green (trombone) Ray Beckenstein, Phil Bodner, Jerry Dodgion, Don Hammond, Romeo Penque (woodwinds) Harry Lookofsky (tenor violin) and Orchestra


Jobim
Jobim, Antonio Carlos
Polygram Records
2000-03-21


 1972年の神様。
 再び“Wave” (1967)と同じくClaus Ogermanのアレンジ、優雅なストリングスと柔らかな管楽器の音。

 半数ほどがボサノバコンボとボーカルを中心としてオーケストラ、ストリングスが絡む編成、他がオーケストラ中心。

 軽快なボサノバな感じから外れてきた感じもある、ちょっと重いオーケストラ、深刻なムードもちらほら。

 名曲"Águas de Março"で始まり、"Waters of March”で締める構成。

 本人のポルトガル語、英語のボーカル入り。

 名演“João Gilberto” (1972-1973)、“Elis & Tom” (1974) Elis Reginaと同時期。

 どれがいいとか何とかは野暮の極み。

 優雅なメロディたちと朴訥とした声、優雅なオーケストラ。

 ありがたいのではないでしょうか。




posted by H.A.



【Disc Review】“Tide” (1970) Antônio Carlos Jobim

“Tide” (1970) Antônio Carlos Jobim

Antônio Carlos Jobim (piano, electric piano, guitar)
Deodato (piano) Ron Carter (double bass) João Palma (drums) Everaldo Ferreira, Airto Moreira (percussion)
Jerry Dodgion (alto sax) Marvin Stamm, Burt Collins (trumpet) Hubert Laws, Romeo Penque, Hermeto Pascoal (flute) Joe Farrell (flute, soprano sax) Joseph DeAngelis, Ray Alonge (French horn) Garnett Brown, Urbie Green (trombone)
and Strings


Tide
Jobim, Antonio Carlos
Polygram Records
2000-04-04


 神様の1970年代初頭のアルバム。
 “Wave” (1967)に近い編成、アレンジは”Stone Flower” (1970)と同じEumir Deodato。
 といったことで、それらの中間、“Wave”寄り。
 当然ながらノーブル&エレガント。

 ちょっとレトロな感じの甘酸っぱい空気感。
 “Wave”とこれを一日中流していると生活、性格が変わるかもしれません。
 とても仕事なんかできなくなったりして。
 ごちそうさまな”イパネマ・・・”はさておき、“Caribe”なんてメロディ、ストリングスと柔らかな管が織りなす綾は、この世のものとは思えない優美さ。
 パラダイスミュージック、極めつけ。




posted by H.A.



【Disc Review】”Stone Flower” (1970) Antônio Carlos Jobim

”Stone Flower” (1970) Antônio Carlos Jobim

Antônio Carlos Jobim (piano, electric piano, guitar, vocals)
Eumir Deodato (guitar) Ron Carter (double bass) João Palma (drums) Airto Moreira, Everaldo Ferreira (percussion)
Harry Lookofsky (violin) Joe Farrell (soprano saxophone) Urbie Green (trombone) Hubert Laws (flute) Strings(?)


Stone Flower [12 inch Analog]
Jobim, Antonio Carlos
Speakers Corner
2015-02-10


 1970年の神様。
 ホーンやストリングスの彩りは控えめ、コンボ編成での演奏を中心とした構成。
 “Wave” (1967)と違うテイスト、エレピも多用されて近代仕様というか時代感がありますが、それがまたノーブル&エレガント。
 パラダイス度は“Wave” (1967)や“Tide” (1970) が上かもしれませんが、シンプルな編成ゆえに、ジャズの耳からすればこちらの方が馴染むのかもしれません。
 朴訥なピアノや優雅なトロンボーンがはっきりと聞こえてくるのはこちら。
 もちろん言わずもがなの名曲揃い
 数曲で聞かれるこれまた輪をかけて朴訥なご本人のボーカルはどうでしょう。
 よろしいのではないでしょうか。




posted by H.A.



【Disc Review】“Wave” (1967) Antônio Carlos Jobim

“Wave” (1967) Antônio Carlos Jobim

Antônio Carlos Jobim (piano, guitar, harpsichord, vocals)
Ron Carter (double bass) Dom Um Romão, Bobby Rosengarden, Claudio Slon (drums)
Urbie Green, Jimmy Cleveland (trombone) Raymond Beckenstein, Romeo Penque, Jerome Richardson (flute, piccolo) Joseph Singer (French horn)
and Strings

WAVE

JOBIM, ANTONIO CARLOS
A&M
1995-06-24


 神様の一番有名なアルバムなのでしょう。
 いわゆるイージーリスニングな作品。
 ノーブル&エレガント。

 洗練の極み。
 代わる代わるフロントに立つ柔らかな音の木管楽器たち、別の次元から聞こえてくるような優雅なストリングス。
 アレンジはVerve~CTI、その他諸々、この種の音の代名詞、Claus Ogerman。

 ちょっと聞きではアメリカ色に染まったありがちなポップス・オーケストラのように聞こえますが、ベースはあくまで骨太なピアノトリオ+ギター。
 朴訥なピアノとオーソドックスなボサノバギター。
 カッコいい。
 カフェやバーから、スーパー、交通情報のBGMまで、世の中に流れている音はこんな感じがいいなあ。
 パラダイスなブラジリアンミュージック。





posted by H.A.



【PlayList】No.3 三月の雨

【PlayList】No.3 三月の雨

 ボサノバの定番曲、Jobimさんのあまた名曲群の中で一番好きな曲。
 ひたすら続くコードチェンジとメロディ、淡々と並べられていく言葉。
 ソウルのように、サンバの終盤のように、あるいはゴスペル、はたまたお経のように、陶酔へと誘うリフレイン。
 落ち着いたボサノバのビート、ウイスパーなヴォイスで聞こえてくれば、そこはもう桃源郷・・・
 南半球の三月なので夏の終わりの歌なのでしょうけど、冬の終わりでも春の始まりでも、この際なんでもよしとしましょう。
 「雨」なのか「水」なのかもよくわかりませんが、なんとなく趣があるので「雨」としておきましょう。

1.Águas De Março /“Elis & Tom” (1974) Elis Regina


 これが一番の定番でしょうか?
 神様と女王の共演。冒頭のピアノのコンキンキンでもう別世界。
Elis & Tom
Universal Music Ltda.
2018-10-12


2.Águas De Março /“The Best Of Two Worlds” (1976) Stan Getz & João Gilberto

 ジャズコンボを従えたもう一人の神様Joaoさん。
 決定版な弾き語りバージョンとは違う雰囲気ですが、Stan Getzが加わって悪いはずがありません。
ゲッツ・ジルベルト・アゲイン
ジョアン・ジルベルト
ソニーミュージックエンタテインメント
2005-08-03



3.Águas De Março /“Astronauta~Songs of Elis” (1998) Joyce

 現代の女王の三月の雨。
 いつものブラジリアンジャズコンボでのいつもな演奏。
 シャキッとした女声とモゴモゴした男声の組み合わせ、これまた定番。
Astronauta : Songs of Elis
Blue Jackel
2011-02-18


4.Águas De Março  /“Via Brasil” (1975) Tania Maria

 ブラジリアンポップス界のドンと思しきお姉さんの三月の雨。
 ちょっとテンポを落として、粘りながら跳ねるブラックでソウルな感じ。
 静かで落ち着いていますが、さすがドスが効いています。

Via Brasil 1
Maria, Tania
Sunny Side
2006-03-14


5.Águas De Março /“Made In Brazil” (2015) Elias Feat. Take 6

 AOR(死語か?)な三月の雨。
 弾むエレクトリックベースにエレピ、洒脱なコーラスと沈んだ感じの低音ウイスパーボイス。
 オシャレです。

Made in Brasil
Elias, Eliane
Concord Records
2015-03-31


6.Waters Of March /“Breakaway” (1975) Art Garfunkel

 この人も歌っていました。
 やはりフォーキーな感じの三月の雨。
 AOR移行期だったのでしょう、あの時代のシンセの音が加わり、これまたいい感じ。

Breakaway
Garfunkel, Art
Dutton
2018-01-26


7.Waters of March /“Belly of the Sun” (2002) Cassandra Wilson

 コンテンポラリージャズの女王バージョン。
 ドブロギターが鳴る三月の雨。
 もちろん素直には歌っていませんが、原曲は崩れない絶妙なフェイク。
Belly Of The Sun
Blue Note Records
2004-04-01


8.Waters Of March /“The Essential” (2014) Swing Out Sister With Akiko

 イギリス系代表+日本代表の三月の雨。
 アシッドジャズなのかブリティッシュファンクなのかよくわかりませんが、ゴージャスなのにスッキリ。これまたオシャレ。

THE ESSENTIAL SWING OUT SISTER (IMPORT)
SWING OUT SISTER
UNION SQUARE
2017-01-01


9.Águas De Março /“Les Voyages” (2000) Clémentine & Marcos Valle

 フレンチポップスな三月の雨。
 激甘ヴォイスにちょっといやらしい感じの男声も加わりまずが、ベトつかない程度でいい感じ。

レ・ヴォヤージュ
マルコス・ヴァーリ
ソニー・ミュージックレコーズ
2000-09-27


10.Waters Of March /“The New Bossa Nova” (2007) Luciana Souza

 アメリカ寄りブラジリアンジャズな三月の雨。
 ほどほどのテンションとスモーキー&ハスキーヴォイスがとても心地よい。

The New Bossa Nova
Universal Music LLC
2007-08-29


11.Águas De Março /“Me and My Heart” (2001) Rosa Passos

 現代最高のボサノバボーカリストの三月の雨。
 シンプルな編成での穏やかな演奏ですが、なぜか漂う疾走感がカッコいい。
Me and My Heart
Passos, Rosa
Velas
2002-04-02





12.Águas De Março /“João Gilberto” (1973) João Gilberto


 もう一人の神様の弾き語り。
 なんだかんだで、これがベストバージョンなのでしょう。
 さりげなくてBGMにもできるのだけども、その実、強烈なトリップミュージック。

三月の水
ミウシャ
ユニバーサル ミュージック クラシック
2011-07-20




posted by H.A.



【Disc Review】“Vermillion” (2021) Kit Downes

“Vermillion” (2021) Kit Downes

Kit Downes (piano)
Petter Eldh (double-bass) James Maddren (drums)

Vermillion
Kit Downes
ECM
2022-02-11


 イギリスのピアニストKit Downes、ピアノトリオ作品、ECMレコードから。
 ECMでは“Time Is A Blind Guide” (2015) Thomas Stronenでタダモノではない感たっぷりな疾走ピアノ、リーダー作としてはパイプオルガン演奏“Obsidian” (2017) 、ベースレスの変則編成“Dreamlife of Debris” (2019)ときて、ようやくオードドックスなピアノトリオ編成。
 が、オーソドックスではない不思議感たっぷりな音。
 難解さ、気難しさはありません。
 美しく、サラサラとした質感の音。
 メロディアス、でも幻想的、そんなバランス。
 柔らかな音の軽やかなピアノ。
 饒舌なベースと静かで自由なドラム。
 静かながら凝りまくったビート。
 誰が何拍子で何を演っているのかわからない複雑さ。
 三者三様、キッチリと主張しているのですが、誰が突出するわけではない一体感。
 淡いメロディ、静かで穏やかな音の流れ。
 疾走や激情はありません。
 ECMでのお約束、ルバートでのスローバラードもありません。
 ビートが効いているのに、なぜか漂う浮遊感。
 メロディアスなのですが、なぜかその芯をつかめない感じ。
 不思議感たっぷり。
 でも迷宮感はない、穏やかで明るい色合い。
 強い浮遊感、淡い色合いは、21世型ECMの典型のような感じですが、このバランスは新しいのかも、とも思います。
 いずれにしても心地よい時間。
 不思議感ゆえなのでしょう、飽きそうにありません。



posted by H.A.



【Disc Review】“Live At Budokan 1978” (Dec.12,1978) Keith Jarrett

“Live At Budokan 1978” (Dec.12,1978) Keith Jarrett

Keith Jarrett (piano)

Live At Budokan 1978
Keith Jarrett
Hi Hat
2021-08-08


 Keith Jarrett、ソロピアノ、東京でのライブ音源。
 これもブートレッグ、FM放送の音源でしょうか?

 “My Song" (Oct.-Nov.1977)と“Sleeper”, “Personal Mountains” (Apl.1979)の間、ソロ作品では“Sun Bear Concerts” (Nov.1976), ”Concerts:Bregenz” (May.1981)の間。
 1970年代終盤、作風が変わってきたと思しき時期の演奏。
 沈痛な面持ちのバラードからスタートし、ビートが定まった後も沈痛、散りばめられる高速パッセージ。
 その表情は徐々に明るくなっていき、フォークロックモードから、リフレインが続く長尺なゴスペルモードへ。
 20分を過ぎたあたりでビートを落とし思索モードから再びバラード、フォークロック~リリカルへと変わっていき、強い音、不思議感たっぷりなリフレインに帰着、リリカルな展開と交錯しながら前半は終演。
 後半は冒頭から速いテンポでの哀しく激しい表情。
 後のソロ演奏でよく聞かれる強い音、沈痛な面持ちのリフレインへと展開。
 ときおりの明るさは短い間、重く激しく不可思議なムードが全体を支配。
 フォークロックな表情もヘビー、静かな場面はリリカルというよりも沈痛。
 終盤は不可思議で激しい音、混沌と高揚の中でのエンディング。
 そして重苦しいムードを払拭するような喝采から、あの”My Song”。

 暴風雨は終わり陽光が射し・・・ってな感じのありがたい演出。
 静かに始まり、沈痛、不安、混沌を経て、安寧に至る、ってなドラマ。
 1970年代中盤のリリカル成分が強くてメロディアス、前向きな高揚感で結ぶ様式が、この辺りで変わってきたのでしょうか。

 キャッチーでわかりやすいのは“The Köln Concert” (Jan.1975)前後~“Sun Bear Concerts”、複雑で少々気難し気だったり、クラシック~現代音楽色が強かったりなのがこのあたり以降、といった感じでしょうか。

 いずれにしても、いまだ全貌つかめず、それが面白くて抜けられません。




〇:ソロ、除くクラシック ●:Standards

 “Life Between the Exit Signs" (May.1967)
〇“Restoration Ruin"(Mar.1968)
 “Somewhere Before" (Aug.1968)
 “Gary Burton & Keith Jarrett" (Jul.1970) 
 “Ruta and Daitya" (May.1971)
 “The Mourning of a Star" (Jul.Aug.1971)
 “Birth" (Jul.1971)
 “El Juicio (The Judgement)" (Jul.1971)

〇"Facing You" (Nov.1971)
 "Expectations" (Apl.1972)
 "Hamburg '72" (Jun.1972)
 “Conception Vessel” (Nov.1972) Paul Motian
 "Fort Yawuh" (Feb.1973)
 "In the Light" (Feb.1973)
〇”Solo Concerts:Bremen/Lausanne” (Mar.Jul.1973)
〇“Molde Jazz Festival 1972 & 1973” (Aug.1973)
 “Berliner Jazztage 1973” (Nov.1973)
 “Treasure Island” (Feb.1974)
 “Belonging” (Apl.1974)
 “Luminessence” (Apl.1974) 
 “Live In Hanover 1974” (Apl.1974) 
 “Death and the Flower” (Oct.1974)
 “Back Hand” (Oct.1974)  
〇“The Köln Concert” (Jan.1975)
〇“Solo Performance, New York ‘75” (Feb.13.1975)
 "Gnu High" (Jun.1975) Kenny Wheeler
 “Arbour Zena” (Oct.1975)
 “Mysteries” (Dec.1975)  
 “Shades” (???.1975) 
 “Closeness” (Mar.1976) Charlie Haden
 “The Survivor's Suite” (Apl.1976)
〇“Staircase” (May.1976) 
 “Eyes of the Heart” (May.1976) 
 “Hymns/Spheres” (???.1976)
 “Byablue” (Oct.1976)
 “Bop-Be” (Oct.1976)
〇“Sun Bear Concerts” (Nov.1976)
 “Ritual” (Jun.1977)
 “Tales Of Another” (Feb.1977) Gary Peacock
 “My Song" (Oct.-Nov.1977)
〇“Live At Budokan 1978” (Dec.12,1978)
 “Sleeper” (Apl,16-17.1979)
 “Personal Mountains” (Apl,16-17.1979)
 “Nude Ants:Live At The Village Vanguard” (May,1979)

 "Invocations/The Moth and the Flame" (1979,1980)
 "G.I. Gurdjieff: Sacred Hymns" (Mar.1980)
 "The Celestial Hawk" (Mar.1980)
Concerts:Bregenz” (May.1981)
〇”Concerts:Munchen” (Jun.1981)
●“Standards, Vol. 1” (Jan.1983)
●“Standards, Vol. 2” (Jan.1983)
●“Changes” (Jan.1983)
 "Arvo Part: Tabula Rasa" (Oct.1983,1984,1977) 
 "Spirits" (May-Jul.1985)
●"Standards Live" (Jul.1985)
 “Barber/Bartók” (1984-85)
●"Still Live" (Jul.1986)
 "Book of Ways" (Jul.1986)
 "No End" (Jul.1986)
 "Well-Tempered Clavier I" (Feb.1987)
〇"Dark Intervals" (Apl.1987)
●“Changeless” (Oct.1987)
 “J.S. Bach: Das Wohltemperierte Klavier, Buch I” (1987)
〇”Paris Concert” (Oct.1988)
 “Lou Harrison: Piano Concerto” (1988)
●”Standards in Norway” (Oct.1989)
●“Tribute” (Oct.1989)
 “Hovhaness, Alan: Piano Concerto:Lousadzek (Coming Of Light) ” (1989)
 “J.S. Bach: Goldberg Variations” (1989)
●“The Cure” (Apl.1990)
 “J.S. Bach: Das Wohltemperierte Klavier, Buch II” (1990)
 “G.F. Handel: Recorder Sonatas with Harpsichord Obbligato.” (1990)
〇“Vienna Concert” (Sep.1991)
●“Bye Bye Blackbird” (Oct.1991)
 “J.S. Bach: The French Suites” (1991)
 “J.S. Bach: 3 Sonaten für Viola da Gamba und Cembalo” (1991)
 “At the Deer Head Inn” (Sep.1992)
 “J. S. Bach: 3 Sonatas with Harpsichord Obbligato. 3 Sonatas with Basso Continuo” (1992)
 “Peggy Glanville Hicks: Etruscan Concerto” (1992)
 “Dmitri Shostakovich: 24 Preludes and Fugues op.87” (1992)
 “Bridge of Light" (Mar.1993)
 “G.F. Handel: Suites For Keyboard” (1993)
●“At the Blue Note” (Jun.1994)
 “W.A. Mozart: Piano Concertos, Masonic Funeral Music, Symphony In G Minor” (1994)
〇“La Scala” (Feb.1995)
●“Tokyo '96” (Mar.1996)
〇“A Multitude of Angels” (Oct.1996)
 “W.A. Mozart: Piano Concertos, Adagio And Fugue” (1996)

〇“The Melody At Night, With You” (1998)
●"After The Fall" (Nov.1998)
●“Whisper Not” (Jul.1999)
●“Inside Out” (Jul.2000)
●“Always Let Me Go” (Apl.2001)
●“Yesterdays” (Apl.30.24.2001)
●“My Foolish Heart” (Jul.22.2001)
●“The Out-of-Towners” (Jul.28.2001)
●“Up for It” (Jul.2002)
〇“Radiance” (Oct.2002)
〇“The Carnegie Hall Concert” (Sep.2005)
 ”Jasmine” (2007)
 “Last Dance” (2007)
〇“Testament” (Oct.2008)
●“Somewhere” (May.2009)
〇“Rio” (Apl.2011)
〇“Creation” (2014)
〇“Budapest Concert” (2016)
〇“Munich 2016” (2016)

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