吉祥寺JazzSyndicate

 吉祥寺ジャズシンジケートは、東京、吉祥寺の某Barに集まるJazzファンのゆるーいコミュニティです。  コンテンポラリーJazzを中心に、音楽、アート、アニメ、カフェ、バー、面白グッズ、などなど、わがままに、気まぐれに、無責任に発信します。

【Disc Review】“Amor e Música” (2018) Maria Rita

“Amor e Música” (2018) Maria Rita

Maria Rita (voice)
Rannieri Oliveira (piano) Fred Camacho (cavaco, banjo) Leanfro Pereira (guitar) Alberto Continentino (bass) Wallace Santos (drums) Jorge Quininho, Adilson Didao (percussion)
Diogo Gomes (flugelhorn, trumpet)

Amor E Musica
Maria Rita マリアヒタ
Universal
2018-02-09


 今やMPB界の大御所なのでしょう、Maria Ritaの最新作。
 スタジオ録音の作品は“Coração a Batucar” (2014)以来でしょうか?
 基本的にはそれと同様、期待と全くズレない安心安定の明るい系現代サンバ。
 電気系の楽器の登場場面は少なく、カバキーニョ、クイーカーなどの響きが強いナチュラルで伝統的なサンバっぽい作り。
 が、とても洗練されたいかにもポップでキャッチーで現代的なバンド。
 さりげなく音を重ねるトランペットが厚すぎず薄すぎないゴージャスさを醸し出す絶妙なパランス。
 そんな背景の中を自由に動く、ちょっとハスキーな声、サラリと流れていく自然な歌。
 シンプルでオーソドックスなようで、ちょっと聞いただけで彼女の音楽とわかる、さりげないようで強烈な個性。
 ここまでくると名人芸。
 母上のElis Reginaとは似てないんだろうなあ・・・といつも思うのですが、とにもかくにもいかにもMaria Ritaで完璧な現代サンバワールドが出来上がっています。
 なぜが本作では楽曲以外にはクレジットがない夫君?Davi Moraesのキャッチーな楽曲を中心として、全編にさりげない哀愁を漂わせながらもハイテンション、さりげなく陶酔を誘ういかにもサンバな楽曲揃い。
 キャッチーな楽曲に過不足なくスッキリとコンパクトにまとまった構成と完璧な演奏に完璧な歌。
 さすがの完成度のエンターテインメント。
 こりゃ気持ちいいや。


 

posted by H.A.



【Disc Review】“O Samba Em Mim: Ao Vivo Na Lapa” (2016) Rita Maria

“O Samba Em Mim: Ao Vivo Na Lapa” (2016) Rita Maria

Maria Rita (voice)
Davi Moraes (guitar) Rannieri Oliveira (keyboard) Marcelo Linhares (drums) Marcelinho Moreira, Andre Siqueira (percussion)

O Samba Em Mim: Ao Vivo Na Lapa
Rita Maria
Imports
2016-06-24


 現代MPBの女王Maria Ritaのライバルバム。
 直近のアルバム“Coração a Batucar” (2014)からの楽曲を中心として、ここまでのキャリアのベストな選曲なのでしょう。
 ピアノトリオに夫君のカバキーニョなカッティングのギターとパーカションの過不足のないシンプル編成。
 アコースティックサンバ、ソウルフル、あるいはポップなMPB、その他諸々、ノリノリの元気いっぱいサンバサウンド。
 スタジオ録音諸作では少し沈んだクールな感じがカッコいいのですが、ライブではノリノリのエンターテイナー。
 サンバのライブらしく最初から最後まで聴衆が一体となった大合唱。
 ポルトガル語が全くわからないのが悲しい限り。
 ま、踊るなんとかに見る何とか・・・・は、古今東西、共通なのでしょう。
 このカッコよさを満喫するには、CDよりもDVD、それよりもライブ会場に行くべきなのでしょうねえ・・・




posted by H.A.


【Disc Review】“Segundo” (2005) Maria Rita

“Segundo” (2005) Maria Rita

Maria Rita (Vocals)
Tiago Costa (Piano) Sylvinho Mazzucca (Acoustic Bass) Cuca Teixeira, Marco da Costa (Drums) Da Lua (Percussion) Cuca Teixeira (Surdo)

Segundo
Maria Rita
Warner Music Latina
2005-10-03


 Maria Ritaの第二作。
 豪華でいろんな編成、いろんな色合いの楽曲が入り混じる前作“Maria Rita” ‎(2003)に対して、ピアノトリオを中心としたシンプルな編成での抑制された音。
 全体の空気感はコンテンポラリージャズ。
 しっとりとした音の流れのジャジーで静かなMPB。
 そんなサウンドの中をときに漂うように、時にソウルフルなブラジル定番、少しスモーキーで優しげな声。
 少し沈んだ感じがとてもクール。
 力が入りそうな音の流れの場面についても、するりと抜けていくような力まない歌。
 そんな場面や静かな場面はもちろん、シャウトな場面もなぜかうるさくない、暑苦しくない特別な歌。
 ファンクな今風のビートも織り交ぜつつ、ときおり登場するエレピの音がとてもカッコいい。
 楽曲も少々沈み気味、しっとり系のサウダージなカッコいいメロディ揃い。
 元気で明るいサウンドもいいのですが、彼女の声、歌にはこちらの少々ミステリアスなサウンドの方が似合っているようにも思います。
 名作です。
 さらに名作のアコースティックサンバ作品“Samba Meu” (2007)、現代的なブラジリアンポップス作品“Elo” (2011)へと続きます。 




posted by H.A.


【Disc Review】“Maria Rita” ‎(2003) Maria Rita

“Maria Rita” ‎(2003) Maria Rita

Maria Rita (Vocals)
Tiago Costa (Piano, Accordion, Electric Piano, Organ) Tom Capone (Banjo, Violin, Percussion) Fábio Sá (Bass) Marco da Costa (Drums, Percussion)
Marcus Teixeira, Eduardo Pereira, Jairo Diniz (Guitar) Léo Leobons, Da Lua (Percussion) Bocato (Trombone) and strings

MARIA RITA
MARIA RITA
WMI
2016-09-16


 アルゼンチンに続いてブラジル、南米系が続きます。
 現代MPBの女王Maria Ritaのデビューアルバム。
 さすがElis Reginaの娘さん、デビュー作から完璧なサウンドに完璧な歌。
 母上よりもスモーキーでしっとり系に振れた声。
 この時点で御歳おいくつだったのかは知りませんが、すでに完成されていて貫禄十分。
 上手さはもちろん、表現力も独特の雰囲気も、後々の作品と全く変わらないようにも思います。
 バックバンドの方がElis Reginaサウンドを意識していたようにも思える、それらしいソウル~ジャズ~サンバが入り混じるポップな音。
 なんとなくノスタルジックにも聞こえます。
 母上の音楽と同様にドカーンときそうな場面もそこかしこにあるのですが、娘さんの方はなぜかサラリと流れていきます。
 やっぱり似てないなあ・・・
 かどうかはさておき、そのサラリとした感じ、少しスモーキーな感じがクールな感じでカッコいい。
 とにもかくにも、満を持したゴージャスでいろんな色合いのサウンドにキャッチーな楽曲。
 それをさり気なくかわしてしまうような、サラリとした歌。
 母上とは質感は違えど、さすが天才スーパースターのDNAというか、なんというか・・・
 ブラジルの女性ボーカリスト、凄い人がたくさんいるのですが、ライブでの立ち振る舞いのカッコよさ、カリスマ性含めて、やはり21世紀のElis Reginaはこの人なのでしょうねえ。




posted by H.A.


【Disc Review】“Flores de la Noche” (2017) Silvia Salomonem, Alfonso Bekes

“Flores de la Noche” (2017) Silvia Salomonem, Alfonso Bekes

Silvia Salomonem (voice) Alfonso Bekes (guitar)
Carlos “Negro” Aguirre (accordion, flute) Celina Federik (arpa, keyboard) Patricia Hein (cello) Luis Medina, Cristian Ávalos (guitar) Daniel Maza (bass) Lucas Solari (drums) Gonzalo Díaz (percussión) Maru Figueroa (voice)



 アルゼンチンのギタリストAlfonso BekesとボーカリストSilvia SalomonemのDuoアルバム。
 Shagrada Medraの最新作。
 Duoでの演奏を中心として、楽曲ごとに少人数の鍵盤、チェロ、木管が入れ替わりに加わる現代フォルクローレ、Shagrada Medraの定番サウンド。
 サラサラと水が流れるようなアルペジオに優し気な歌、ときおりの風のような弦、管楽器。
 ボーカルは透明度の高い声の可憐系、とても素直な声と歌。
 ゆったりと漂うようなフォーキーなバラードを中心として、アップテンポなファンク調、エレキギターを交えてちょっと強めの音でのフォークロック調などがアクセント。
 シンプルなようでいろんな音、色合いが複雑に絡み合いながら進む音。
 二人のオリジナル中心の楽曲は、少々のセンチメンタリズムが漂うナチュラルな郷愁感系。
 時折Carlos Aguirreの必殺技、ギターのユニゾンとコーラスワークの断片をちりばめながら、素朴に過ぎず洗練され過ぎない、絶妙のバランス。
 定番の現代フォルクローレ、そのフォーキーで優しい系。
 今の季節にはピッタリの音、でしょう。




posted by H.A.

【Disc Review】"PAZ” (2002,2015,2016) Guillermo Rizzotto Trio

"PAZ” (2002,2015,2016) Guillermo Rizzotto Trio

Guillermo Rizzotto (electric guitar)
Paco Weht (bass) Salvador Toscano (drums) 
Natsuko Sugao (trumpet) Carme Canela (voice)



 アルゼンチンのギタリストGuillermo Rizzottoのトリオでの作品。
 “Solo guitarra” (2005,2011)など、ガットギターでクラシック混じりの現代フォルクローレ・・・ってなイメージが強いのですが、本作はすべてエレキギターでのフュージョンミュージック。
 ボーカル曲は一曲のみで、基本的にはシンプルな編成、ジャズっぽい軽快なドラムにちょっと重めなエレキベースのギタートリオ。
 ギターはクリーントーンが中心ではあるものの、たくさんの場面でエフェクターを使い、歪んだ音、チョーキングの場面もそこそこ。
 Pat Metheny的ではなく、フォーク~カントリー的+ディレイの場面はBill Frisell的であったり、プログロッシブロックな場面もありますが、全体的には素直な感じでしょうか。
 ガットギター諸作同様の浮遊感、ゆったりした感じはいかにも南米的でもあるし、今の人風でもあるし。
 そこはかとなく漂う現実から遊離したような幻想的な感じもこの人の音の色合い。
 が、ビートがしっかり効いている分、ガットギター諸作の沈んだ感じは薄く、明るい色合い、躍動も強い音。
 楽曲もフォークロック調でポップなメロディ。
 ま、ロック、ポップスを聞いて育った今の世代の音なのでしょう。
 いろんな要素が入り混じるオーソドックスなようで不思議なテイスト。
 ガットギターの諸作とはまた違った印象なのですが、どこかのほほんとした穏やかな感じ、素朴な感じは同じですかね?
 ジャズでもロックでもフォルクローレでもない、ちょっとだけ不思議感が漂うフォークロックなフュージョンミュージック。


 

posted by H.A.

【Disc Review】“El sentido del paisaje” (2013) Guillermo Rizzotto

“El sentido del paisaje” (2013) Guillermo Rizzotto

Guillermo Rizzotto (guitar)

El sentido del paisaje (Solo guitarra II)
Guillermo Rizzotto
Rip Curl Recordings
2013-04-18


 アルゼンチンのギタリストGuillermo Rizzottoのソロギター作品。
 “Solo guitarra” (2005,2011)、Duo作品“El paso del tiempo” (2009)と同じく穏やかで柔らかなガットギター。
 それら二作と比べると少しアップテンポ、躍動感が強い場面が増え、メロディの哀感が強くなったようにも感じますが、基本的な質感は同じ。
 少し沈んだ感じで淡々と紡がれる穏やかなメロディ。
 都会のカフェやバーな感じではなく、草原な音の流れ。
 全編センチメンタルですが、情熱や激情を表出する場面はありません。
 フォルクローレなナチュラルで優しい質感のところどころにスパニッシュな空気が流れるのは、アルゼンチンの空気感なのでしょう。
 これが都会のカフェやバーで流れているとカッコいいんだろうなあ・・・
 湿度が低くて爽やかで広々とした空間へのトリップミュージック。
 もちろん少々センチメンタルなサウダージ付き。




posted by H.A.

【Disc Review】“El paso del tiempo” (2009) Guillermo Rizzotto, Pablo Gimenez

“El paso del tiempo” (2009) Guillermo Rizzotto, Pablo Gimenez

Guillermo Rizzotto (guitar) Pablo Gimenez (wind instruments)
Roberto Kuczer (trumpet) Juan Pablo Rodriguez (percussion)

El paso del tiempo
Guillermo Rizzotto
Rip Curl Recordings
2013-07-28


 アルゼンチンのギタリストとの管楽器奏者のDuo作品。
 “Solo guitarra” (2005,2011) Guillermo Rizzottoに続くアルバムなのだと思います。
 同様に優し気なメロディ、とても静かで穏やかな音。
 瑞々しいギターにフルートを中心とした柔らかな管の響き。
 ギター自体がとても柔らかな質感なのですが、さらにフルートを中心とした木管楽器がさらに柔らかな色合い。
 アルゼンチン~フォルクローレの定番の構成は”Soltando Amarras” (1998) Quique Sinesi, Marcelo Moguilevskyってな名作を想い起こしますが、全く違う質感。
 シャキッとした質感、ハイテンションなそちらに対して、とても淡い色合い。
 終始ゆったりとしたテンポ、少し沈んだ空気感は幻想的ですらあります。
 二人のオリジナル曲はGuillermo Rizzottoのいつもの淡くて優しい淡い系、少し哀感高めなメロディを中心として、クラシカルで南米山奥系の色合いもあるPablo Gimenezのメロディ。
 南米らしいナチュラル感、郷愁感たっぷり。
 Guillermo Rizzottoの音楽は爽やかで湿度感の低い落ち着いた朝なイメージなのですが、本作はちょっと湿り気の強いしっとり系。
 森の朝靄とか、ちょっと曇った昼下がりのBGMに合うんだろうなあ・・・




posted by H.A.

【Disc Review】“Solo guitarra” (2005,2011) Guillermo Rizzotto

“Solo guitarra” (2005,2011) Guillermo Rizzotto

Guillermo Rizzotto (guitar)

Solo guitarra
Guillermo Rizzotto
Rip Curl Recordings
2012-05-16


 アルゼンチンのギタリストGuillermo Rizzottoのソロギターアルバム。
 ブラジル、アルゼンチン、その他南米系だけでもこの種のガットギターでのソロ演奏作品はたくさんあるのでしょう。
 ECM慣れしていると、どうも1970年代のRalph TownerやEgberto Gismontiの緊張感が強い音をイメージしてしまうのですが、本作はもっと優しくてメロディアス、キャッチーな音。
 フォルクローレ系の人なのか、クラシックに寄っているのか、あるいはジャズの人なのかはよくわかりません。
 基本的には南米フォーキーですが、クラシカルでもあり、ジャズ的でもある微妙なバランスの演奏。
 あくまで漂うようなビート感と静かで穏やかでセンチメンタルな音の流れ。
 少し悲しげだけども湿度は低くてあくまで爽やか。
 今のような春、あるいはもう少し先の初夏のような音。
 部屋の空気の清涼剤。




posted by H.A.

【Disc Review】“Algo Asi” (2011) Mario Yaniquini

“Algo Asi” (2011) Mario Yaniquini 

Mario Yaniquini (guitar)

Algo Asi [CD] Mario Yaniquini 2012-01-29

 アルゼンチンのギタリストMario Yaniquiniのソロギター作品。
 クラシックの人なのだと思います。
 Carlos Aguirreを数曲、同じくアルゼンチンのMarcelo Coronel、Carlos Moscardiniの楽曲を取り上げた演奏集。
 Shagrada Medraからではありませんが、同レーベルの“Sones Meridionales” (2009,2010) Pablo Ascuaと同様に、南米の香りが漂うクラシックギター。
 もちろん楽曲が現代のフォルクローレ、ポップス、タンゴ系なので、南米的なのでしょうが、ギターの音も柔らか。
 あのCarlos Aguirreの感傷的なメロディが、柔らかな音のガットギターで淡々と奏でられていく・・・
 それだけ。
 他の作曲家の楽曲も同様に、郷愁感が漂う優しいメロディ。
 流れていると部屋の湿度が下がり、空気が浄化されていく・・・系の音。
 心地よさ最高。




posted by H.A.


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